ホブス山。
目の前には、山。細かく言うとファブールとダムシアンを繋ぐ、山。そして、分厚い氷。
ファブールに徒歩で行く唯一の方法であるこの山。だけど、寒風によって厚い氷が出来て行く手を阻む。
「ねぇ、リディア。」
「……ファイア!!」
……今回の難題は、ぼんやりしている内に、解決してしまったらしい……。モアモアと水蒸気をあげて、みるみる内に氷は溶けて無くなっていく。
「さぁ、行こう!!」
セシルの声に頷いて。ファブールに向けて歩きだす。ホブス山を抜ける為にも。
「傷薬なら、いくらでもあるぞ。」
「ローザもリディアも居るから大丈夫だよ。」
「暗黒剣の使い手は、そうやって死んでいくと聞くからな。」
皮肉げに言ってサメラは、誰よりも後ろを歩きだした。
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