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「あ…マグマのいしが!」

「ここが祖先が地底の民だと言われているアガルトで、唯一月の観測場所がある町だ。場所的に言えばバロンより南、ミシディアより西にある小さな島で、北の方には高い山……って、だれも聞いてないし。」

呆れて肩を下ろすと、隣でふっと笑う声が聞こえて、視線を動かすとそこには龍騎士がサメラを見ないようにしていた。

「悪かったな。笑うな」
「言うべきか言わないべきか迷ったんだがな」
「そうか。勝手に言え。龍騎士」

視線をふいに戻してセシルの方を向くと、目の前を何か通った。視線をその何かに定めて、追いかけると、綺麗な孤を描いて、井戸の中に落ちた。

「あ…マグマのいしが!」

慌ててセシルが駆け寄ると、アガルト外れにある山が火柱を吹いた。

「手品か?…」
「そんな訳無かろうに!あれじゃ、あの大穴が地底に繋がる道だ。エンタープライズで突っ込むぞい!」

腕を掴まれたサメラはこけそうになりながら必死に後を追った……否、追わされた。



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