マラコーダ。
「ゴルベーザ様の腹心が一。地獄のマラコーダ。」
サメラはマラコーダを観察した。どこが弱点でどこが弱味なのか、探るが見当たらない。
夜の風が吹いて、サメラの銀の髪がなびく。髪を甲冑の中に押し込んで、大刀をマラコーダに向けて地を踏みしめた。
「お前の仲間は大丈夫なのか?」
「!!」
太刀を読んでサラリと交しサメラの耳元でそう囁く。
「今頃、お前の部下がお仲間やっつけてる頃だけど。生きてる?。」
男がニヤリと笑った。のを見てはないが、笑ったのだろうと理解できた。右足でブレーキを掛けて、遠心力を使って回転して刃先を、向けて懐に入る。
「お前……!」
「武神事変-Satellight Reacter-、お前の仲間は預かる。返してほしくば、解っているだろう?」
「手下になれと、言うのか?」
軽い音を立ててマラコーダは消え、そこにサメラ一人が立つ。自分の中の煮えきらないモヤを払い除けて、サメラは急いでキャラバンに戻る為に走った。
こけようが、魔物に遭遇しようが、些細な事だと思い、気にせず走りだした。
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