近寄せるな。万が一近寄る事になったら、ある程度離れろ。
近寄せるな。万が一近寄る事になったら、ある程度離れろ。ヴィクセンとランサーの二人を近寄せるな。これも学習した事だ。
静かに五、六歩後退し巻き込まれないのを確認して、それから仲間の所に帰る。
「サメラ殿、大丈夫でしたか」
「ヴィクセンさんとランサーさんはいつもあぁだから。」
先ほど居た場所を示せば、そこは既に乱闘中であった。ヤンが止めなくていいのか?と聞いたが、あれは人外の抗争だから気にする事はない、止めれば矛先が此方を向く。止めておいたほうがいい。と諭した。
「あれを止めれるのは、団長ぐらいしか居ない。」
中身の入ったコップを掴んで、口元に近寄せてコップを傾けた途端、背中が衝撃を受けて、コップの中身が出る。
むせてから、振り返ると小さな女の子が一人。高いところで2つに結われて、髪を揺らした。
「サメラちゃん、待ってたんだからね!遊ぼー」
「あぁ解った、ダンサー。」
ちょっと行ってくる。この浮かれ具合だから、気付かないだろうが。聞かれたら答えといてくれ。
いつもの愛刀を肩に掛けて、ダンサーと呼ばれた女の子と一緒にテントから出て行った。
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