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「……シド…!」

慌てて、飛空挺からサメラの影を探したが見当たらない。目を皿のようにするが、分からない。

「あの馬鹿、何を考えてるんだ?」
「たまに奇抜な発想をするからね。サメラは」
「確かに。喋れば逃げる、会えば走る。不思議な奴だ」

ローザが困ったように笑って、下の森を探す。必死に探せば、森の中に規模が小さな火柱が立っているのが伺えた。

「無事、みたいね」
「そうだな。セシルに伝えに行ってくる」

人騒がせな奴だ。と皮肉めいたのを零して、カインは踵を返した。

その後、ローザとセシルから荷物を取って帰ってきたサメラはキッチリ怒られたのはまた別の話。

「……サメラ、聞いてる?」
「あぁ、聞いてる。」
「じゃあ、今言った事をもう一回言って?」
「あー。飛び降りるな?……」
「サメラ?」
「すまん」
「セシルもローザもサメラは反省してるようだし、そろそろいいじゃろに。」
「……シド…!」
「だーめ、まともに聞いてる無いんだから、聞いてないに決まってるわ」
「あう……う…」

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