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「ぐえっ……!」

「……カイン、カイン・ハイウインドだ。」
「サメラ。…サメラ・ルドルフ…。失礼する。」

場の空気にいたたまれなくなって、足早に龍騎士の横を通り過ぎようとすると、龍騎士がサメラローブの端を掴んで引っ張った。

「待て!」
「ぐえっ……!」

まるで、蛙を踏み潰した様な声を上げてサメラがむせこんだ。隣で、心配そうに蒼が屈んで覗き込むから、ただそれを払い除けて立ち上がる。

「心配はいらない。……また、明日な。」

引っ張った所為で歪んだローブを整えて。逃げる様に走っていった。

「おい。……あいつ。」

変な奴だ。と感想を持って、カインは視線を下ろした。足元に大事そうにリボンで束ねられ年期の紙が落ちている。

「落としていったのか?」

首を傾げてからカインはそれを開けた。中身は三枚。どれも子供が描いた様な絵ばかり。
緑と橙のストライプ模様の服を着た子供と大人が笑いあっている。絵が二枚。一つは丁寧で一つは乱雑に出来上がっている。
最後の一つは、緑の子供と黒と白、銀と金の人間がいるのがカインには理解出来た。

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あきゅろす。
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