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死ぬのも勇気、生きるのも勇気。

「しっかり聞いた。安らかに眠れ。」

一人静かに頷いて、サメラは眼を閉じた。
やはり、死ぬのを目の前で見るのは嫌だ。敵が討たれ死ぬのを見るのも嫌だと。思う様になったのは、いつからなんだろうか。問掛けれども、答えは有らず。

「……ローザがこの先に居るのを聞いた。セシル、ヤン、テラ、シド。行こう。」

すぐそこだ。最上階が近い。
そう付け足せば、皆が笑う。ただ自分だけが、本当に笑えてない気がした。

「……頑張らないと。」

ぽつりと漏らした言葉は、音量が大きかったみたいで、視線を集める結果になった。


「サメラ殿、無理は…」
「無理なんか、してないが」

一時の気の迷いだ。さほど、気にする事はない。行くんだろ、早く歩け。

急かしながら、サメラは最後尾を歩いていた。

「サメラ、大丈夫かの?」
「大丈夫だ。生と死について考えてるぐらいだ。」
「死ぬのも勇気、生きるのも勇気。どちらにも同じ位の勇気が必要だとの言葉だ。」
「そんなかんじでまとめて良いのか?老師」
「いいんじゃいいんじゃ」

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あきゅろす。
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