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バクラA
いつものファミレスで遊戯たちと待ち合わせ。
あぁ、遊戯と克也が困った事に居残りなのね。
全く、おばかさん!
で、いつもと違ったのは私の膝の上に幼児が座ってる事だろうか。
これ、うちのいとこの子供たんだけど。

「可愛いなぁ…可愛いなぁ、おい」
「言い方がオッサンじゃねぇか。キサラも何か言ってやれよ」
「でも、可愛いのは本当だから」
微笑むキサラに、バクラは溜息。
何さ小姑みたいにいつも小言ばっか。こーんな可愛いちびっこが居るんだから、あんたも見習って少し可愛くしたらどうなのさ。

「ほーら、ポテトだよー」
テーブルに届いたポテトを小さくてぷにぷにした手に渡す。

あぁもう可愛いッ!!
「よ、幼児の可愛さ異常…!!」
「てめえ発言がいちいちヤバいんだよ、ちょっと黙ってろ」
「あんたが黙ってなさいよ。私は今、絶賛癒され中なんだから」
と言って顔を覗き込むと、私の膝のうえの幼児はバクラをガン見してた。
「いやいやいや、私見ようよ! 何でバクラ!?」
問いかけには勿論無視。私の膝からバクラの方へ移動しようとするちみっこをキサラが抱きかかえて、バクラの方へやった。
「げ、やめろよキサラ。俺様はガキの相手なんざ…」
「そうだよ、キサラ! その子は私の子だよ!!」
「でも、この子すごく嬉しそう」

まばたきしながら指差した先。
それはもう楽しそうにバクラの髪を引っ張る幼児。
「やめろってんだろ…おい」
低く言うバクラは凄んでるつもりなんだろうけど、全然怖くないし。むしろ、幼児相手にそんな事してる辺り相当ウケるんですけど。
お構い無しのちびっこは、きゃっきゃ笑いながらバクラの髪を掴んでいる。
何ていうか…

「ソメより気に入られてるみたいだけど」
キサラの言葉は的を得ている。
激しく嫌そうな顔のバクラだけど、幼児にはウケたらしく、本気で笑ってるし。
「ちょっとバクラ、何か面白いことしてやんなさいよ」
「はぁ? てめぇふざけんなよ…ってこら引っ張るなッ!」
飽きないらしい幼児の洗礼に、バクラはなんだかいつもの調子が出ないみたいだ。
「ちょ、ムービー録ろ。後でばく先輩と了ちゃんにも見せてあげなきゃ」
「トト!! 余計な事すんじゃねぇ!! ってキサラ!? お前今写メったろ!?」
ぴろん、という陽気な電子音にぎょっとするバクラ。
微笑むキサラは「気のせいよ」と手を振ったけど、私は見たよ。
キサラがしっかり写メ撮るところ。

「それにしてもバクラ君が子供に弱いなんて、初めて知ったわ」
笑いながらジュースを飲むキサラの向かいには、幼児にたじたじなバクラ。
「…るせぇ」
低く言う彼をにやりと笑って見ながら、私は小さく音を立てた携帯を見た。

「あ、克也と遊戯がもうすぐ着くって。杏子も一緒らしいよ」

バクラが帰る、と喚きだした直後。
補修組を引き連れた杏子が到着。

後日、写真とムービーは
 
勿論流出するのだ。


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あきゅろす。
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