私が赤く染めてあげる



●○●



赤い赤い世界。
地下室が嫌になったからお外に飛び出そうとしたら雨が降ってきた。
私の心を押し潰すように雨は天から降って止まない。

「待ちなさい」

パチュリーが邪魔をしたようだった。

「ねえ、どうしてパチュリー」
「あなたは自分の能力を分かっていない。あなたを外に出したら危険なのよ」

誰が私を危険なんて決めつけたの?
あなた?お姉様?それとも神様?
私は危険じゃない。私は私なの。

ねえ、雨を止めて―。
苛々するこの気持ちを止めてよ。

「御願いパチュリー、……止めて―」
「……っ!!」



●○●



雨が止まないからまた地下室に戻っていく。
私が歩いた後には赤色が滴り道を作った。
目に見える全てを赤く染めた、赤い赤い、赤いだけの世界。
私にはこの世界が落ち着く。
あちらこちらに散らばった赤いモノ。
差し出された紅茶も、ケーキも、全部赤い。
地下室も館も全部赤い―。私の目の前で赤に染まったたくさんのモノ。
私の目の前に横たわるモノは“誰”だったかしら?
歩く先には赤い色が続いていた。



●○●



地下室に着いても赤い世界は変わらない。
私はどうして変わらない生活を送り続けなくちゃいけないのかしら。
どうして私は長い間、こんな生活を続けられていたのかしら。
狂ってる。
パチュリーも咲夜もお姉様も。
ミンナシテ狂ッテル―。
だから私を危険な目で見る。
ミンナ狂ってるから私を閉じ込めてる。
狂ってるミンナはきっと病気なの。
だからミンナ私が楽にしてあげた。
病気から解放されて、ミンナはそれきり私を止めることはなかったわ。
でも、喋らないし、一人で動くことも出来ないの。
だから私はこうしてミンナを地下室に連れてきてあげてる。
地下室に行けばいつもミンナがいる。
ただ姿だけは赤いけど―。
手にしていた新しい赤を地下室に投げた。
大好きな赤に染まった姿。
周りのモノも全て赤の世界。

「ミンナ大好き…」

その時地下室の扉が開いた音が届いた。

「あら……赤色じゃないのが一つ……」

赤くないモノは気に入らない。
それを見つめて私は笑う。

「あなたが大好きなの。だから赤に染めてあげる」

この赤からは脱け出せない…―。



●○●






*後書きという名の補足*


中旬とは11日〜20日のことをいうそうです。
日記で予告した通り中旬に更新です。
リクエストで見事1位だったフランドールから短編を書かせていただきました。リクエストしてくださった方ありがとうございました!

最近葉月なのさんの曲ばかり聴いてます。葉月さん大好きです。
「緋色月下、狂咲ノ絶」を聴きながらこの話を書き進めていました。
えー、相変わらず意味不明な文で大変読みづらい内容だと思います(汗)
管理人の思考回路を、後書きで補足(になるか分からないけど)してみます。


内容としては原作のエキストラストーリーのその後の話みたいなのを意識してます。
紅魔館側からの視点ですね。
作中でのフランは赤が大好きです。
目の前のものをなんでも大好きな赤に染めようとします。
食べ物から、生きてるものまで、苛々している時は全て赤にしてしまいます。


雨を降らせたパチュリーですが………。

フランに殺されてしまったようにも思えますが、パチュリーは生きてます。
きっと死ぬという運命を変えられたのでしょうね。(ぁ

地下室に向かっている時にフランが引きずっているのはパチュリーですがパチュリーではありません。
幻覚です。
フランだけパチュリーだと思っています。
実際は何か違う物を引きずってます。

赤く滴っている血も、実は赤く染まった世界も何もかも幻覚です。
これは狂った自分が見ている幻想です。
フラン以外の皆が狂っているのではなく、フランが狂っています。
苛々して自我が崩壊した時のみ狂います。
通常は普通です。


最後の大好きなあなたとは…?

誰なんでしょう。←
これはご想像にお任せします。
ちなみに最後の「この赤からは脱け出せない」というのは、フランが幻想から脱け出せない意味だったり、フランの弾幕からは脱け出せない(逃げられない)という意味だったり。


補足になってるのかどうなのか…。
独自の世界観を説明するのは難しいです。
常に中二病みたいな思考なので←
ここまで読んでくださりありがとうございました!
ちゃんとリクエストに応えられてるか分からないですがこんな小説でも良ければ幸いです。

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あきゅろす。
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