サイハテ
07
はしるはしるはしる
血の気のなくなった手足を温めるように、血の上った頭を冷ますように。
「っはぁ……」
ああ、ばかみてぇ
『わたし、サスケくんのことが好きなの!』
嫉妬なんかしちゃだめなのに…
「ほんとバカ……」
駆け込んだ屋上に、へたりと座り込む。
風が優しいけど痛くて……腕の中に顔を埋めた。
きっとオレは。
なんの戸惑いもなく、"好き"と言えることが羨ましかった
くやしかったんだ…
オレだって、彼が好きだって言いたい
自分から、サスケに、家族に、みんなに。
あの人はオレのものなんだって、
不安や焦燥を掻き消すような、確かな言葉が欲しかった。
願っちゃいけないことだったのに、な。
「……っ」
(なにが"お嫁さん"だよ。"未来予想図"だよ…)
オレがかなえてあげるって言ったくせに。
(……これ以上…好きになっちゃ…だめだってば)
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