[携帯モード] [URL送信]

サイハテ
03

「――どうして避けるんだよ」


――みつめないで


「……さけて、なっ…んぅッ」

「…嘘つくな」


顎を乱暴に捕まれて、引き上げられたかと思ったら、唇に噛みつくような口づけを落とされた――


逃げてしまいたくて、ひっしに頭を振る。
もがく、離せ、と口の中で叫ぶ。


「っふぅ……んんっ…」

だけど――
鍛えられた身体に、壁をえぐるように抑え込まれたら。



「っふ………」


どうしようもできない。



…ぬらぬらと動き回る舌

頭がぼうっとしてくる。まるで他人事のように、「どうにでもして」ってぼんやりと思う。


「…はっ、ふ……」


卑猥。
淫靡きわまりないキス。


…こんなキスはいったい何度目だろう?


「……はぁっ」

「……オレのこと嫌いになったのか…?」


唇が離されて、潤む視界が捉えたのは……不安げに歪む、きれいなきれいな顔。
形のよい眉毛が少し寄せられて、きゅっと薄い唇を噛む。


――そんな顔しないで。


「…ナルト…?」



いつだって強引なくせに。
不敵に笑うくせに。

意地悪なくせに!


いっそのこと、大嫌いになってしまえばいいのに…



「…嫌いなわけ、ない」


……そんなの、なれっこないよ。











「…んっ!きこえちゃ…うっ…てばぁ…っ」

制服を来たまま、後ろから犯される。

両手をついた壁がギシギシと嫌な音を立てて軋む。

「……はぁ、…聞こえないって…」

「ひ、やああっ」

切羽詰まったように急速に動く熱い塊に、涙がボロボロと出てしまう。


生理的に、感情的に――


「うっ……うぅ、っ」

そんな涙と漏れでる声を隠すように、腕に顔を埋めた。


下の階には母さんがいるのに

どうしてこんなこと…


(きこえちゃうっ…)


頭の片隅でずくずくと暴れまわる背徳意識。


ごめんなさい母さん

ごめんなさい…



「っあう……っ」



…ああ、でも、気持ちいい。

もっと


もっと、もっと。もっと突いて――…



「ん…っ、っ!」

ピタリと動きが止んだかと思うと、身体を押されて、横のベッドに倒れ込んだ。

「……さす、っああああ!!」

「くっ…」

中途半端にズボンを脚にまとわりつかせたまま、折り曲げられてふたたび塊を押し入れられる。

苦しい。

けど……


「きもち、いいかよっ…!」

なぁ、ナルト。


……低く、甘い、とろけるような声で囁かれれば。


「んぁ…っきもちいいよぉ……っ」

ウソなんてつけない。
悪いコトしてお仕置きされてる子供みたいに、素直に弱々しく、答えるしかないのだ。


「……インラン」


罵る言葉さえも、気持ちがよくてたまんなくて、はぁはぁと酸欠みたいに息をしながら、兄を見上げる。


わずかに頬を赤く染めて、綺麗な頬のラインやニキビひとつない額には汗を浮かべて、潤った唇はゆるやかな弧を描く。


「っ……」


……心臓の真ん中が、トクトクと激しく鳴る。
鷲掴みされたみたいに、苦しくてぎゅうっとなる。




だめなのに、だめなのに、だめなのに。


想っちゃいけないのに


だってこの人は

オレの家族で兄で分身のような存在で…


「はぁっ…んっ…サスケぇ……」


これ以上――




[*back][next*]

3/13ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!