[携帯モード] [URL送信]

サイハテ
01 サイハテ


快楽と苦悩がループする――恋。




*サイハテ




(かえりたくない)


学校が終わって、のろのろと電車に乗り込みながら、思うんだ。


だから、いつも……


『次は新橋。新橋です。ご乗車ありがとうございました――』


アナウンスが遠くでやまびこのように聞こえる。


「……」


本当はここで降りなきゃいけない。

――けど


『ドアが閉まります……』


身体がおもりを詰めたように重くて、動かない…


(かえりたくない…)


そしてオレは今日も、環状線を迂回する。


何周も何周も。

何周も。





[next*]

1/13ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!