サイハテ
01 サイハテ
快楽と苦悩がループする――恋。
*サイハテ
(かえりたくない)
学校が終わって、のろのろと電車に乗り込みながら、思うんだ。
だから、いつも……
『次は新橋。新橋です。ご乗車ありがとうございました――』
アナウンスが遠くでやまびこのように聞こえる。
「……」
本当はここで降りなきゃいけない。
――けど
『ドアが閉まります……』
身体がおもりを詰めたように重くて、動かない…
(かえりたくない…)
そしてオレは今日も、環状線を迂回する。
何周も何周も。
何周も。
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