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凛と咲く花のような貴方に
その1


伝説6
火讐怜斗奪還作戦


空を赤く染めていた夕日が段々と沈んでいき、暗闇に染まっていく空を満月が照らしていた。
水津高の隣に建っている人気のない暗い旧校舎の寂れた教室にいる数人の青年の姿が月明かりに照らされていた。

「聞いたか? 覇権組と名乗り、あの喧嘩無敗にして首都高総番の御手洗団吾が眼羅さんにやられて、勝負を挑んだ覇権組の連中が撤退したらしいぜ。 しかも裏番長と恐れられてるあの火讐怜斗を捕まえたって言うぜ」
牛柄のバンダナを頭に海賊の様に巻き、左頬に傷がついた眼羅の舎弟にして、舎弟チーム「スパイダー5」の一人、サトシは少し汚れた机に座りながら首都高総番の団吾が水津高総番の眼羅に倒されたと言う噂を話していた。

「ま、あの喧嘩無敗の水津高五代目総番長の眼羅さんには流石の御手洗の野郎も勝てるはずはねーよ そうだろ、マサキ?」

「あぁ、あの眼羅さんがあの御手洗に負けるはずはないね」
無表情で右目に治療用眼帯を着けた黄土色のウルフカットの舎弟、マサキは金髪に赤と黒のエクステを着けた派手な舎弟のショウにそう話し掛けられ、答えた。

「あの方は入学式の新入生代表の言葉で一年番格の蛇山、二年番格の猿谷、そして三年トップにして水津高四大目総番の鬼ケ島の三人に目を付けられたが、眼羅さんは一瞬のうちで三人を倒し、水津高五代目総番長に成り上がったんだ。
あの方が最強と恐れられる首都高総番に負けるはずがないだろ?」

長く縛った灰色の髪に善罪と同じ様に左目を前髪で隠して首にゴーグルをかけ、サトシ達と少し離れた場所で銀色と黒の二丁のモデルガンの手入れをする物静かな舎弟にして番長補佐とスパイダー5のリーダー格を務めるジュンは眼羅が五代目総番になった出来事を語りながら、団吾が彼に勝てるつもりはないとサトシ達に話した。

「所で眼羅さんは? それにカズナリもいねーし…」
「カズナリは首都高に行って、情報収集に向かってる所だけど、眼羅さんは音楽室にいるんじゃね?」

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