main Homework(骸ツナ) 『ほんとにお願いっ』 せっかく頼まれたのでそのお願いとやらを聞いてあげましたよ、僕は。 ですが… それが間違いでした。 「仕方ないですねー、なんですか?」 「わっほんと?よかったー、あのさオレ今から溜まった夏休みの宿題やんなきゃダメだから手伝ってくれる?」 「…君という人は…まったく、宿題は毎日コツコ…」 「ありがとー骸っじゃあ、コレよろしくね」 僕の意見、無視ですか。 「…今回だけですよ。」 しぶしぶ答えながら綱吉君から受け取ったたくさんのプリントに書かれているのは 数字と象形文字のような記号。 「綱吉君、これは…」 「数学!オレさ数学もダメだから…あ、もしかしてやだった?ごめん…」 「いえ、構いませんが。」 構いませんが… 構いませんが… え、Хって なんでしょうか。 「綱吉君、あの…」 「ん、何?」 「あの…」 「…?」 「え、Хって…なんでしょうか」 ─ツナ視点 「…はい?」 「あのХってなんですか…?」 もしかして… 「骸、数学知らない…」 「知ってますから。」 即答。 「じ、じゃあさコレ…やってみて?」 骸を疑うのは良くないけど、さすがにこの問題は分かるよな。 オレでさえ分かるから… だって問題『Х-1=3』だもん。 中1の初期にやる問題だぞ? 骸はカリカリと一生懸命鉛筆を動かしている。 「骸…出来た?」 「!!ま、まだですっ」 「どれどれ…」 「まーだーでーす!!」 骸から無理やりプリントを奪い取る。 「…。」 「つ、綱吉君…?」 このやろう。 「綱吉くーん…?」 問題解いてるフリして… 「つ、つなよしくん?」 落書きしかしてねぇ。 一時間後。 骸の頭にはたんこぶが山の様に出来ていた。 「…でココはこうなりまして…」 「なるほど…って骸、聞いてる?」 「…はい。」 「む、骸?なにキレてんだよー。」 「なにキレてんだよーじゃありませんっなぜ僕と綱吉君だけの勉強会なのに…なぜ…」 「…?」 「なぜ忠犬共もいるんですか!!」 「んだとコラ!!!!誰が忠犬だっ…べ、別に嫌じゃねーけどよ。」 「まぁまぁ、こーゆう時はみんなで楽しくやろうぜ?」 とゆーか、 獄寺君と骸がフツーに喋ってる事自体がキセキだな。 でも、まぁ たまにはこんな日も良いかな。 「良くねーぞ、ダメツナが。」 「ひ、ひぃぃっ」 「骸はお前と二人きりになるためにわざわざクロームに憑依して来たんだ。」 「!!」 「そんな心を踏み躙る様な事するやつはボンゴレにいらねーぞ。」 「よく考えてみたら…そーだな。」 つーかなんでリボーンはオレが考えた事分かったんだ? 「オレは読心術を取得してるからな。」 「ひぃっ!!!!」 「分かったなら死ぬ気獄寺達を追い払って来やがれ。」 「わ、分かったよっ」 そうしてオレは獄寺君と山本のもとへ走ったんだ。 ─骸視点。 クフフ…。 上手くいきました。 アルコバレーノに化けて綱吉君を説得させましょう!プロジェクトが成功しました。 おや? 忠犬共が帰っていきますね。 「…くっ、十代目とあの変態を二人っきりにするのは右腕として出来ません!!」 叩いてきましょうか。 「ツナ、オレも獄寺と同感だぜ。」 この人も叩きましょうか。 …綱吉君はどう反論するのでしょうか。 やはり、 『オレの骸を悪く言うなっ』 でしょうか。 「オレもなんか嫌な予感するけど…」 …。 えっ…。 「でも、骸にもなんか悪いかなってゆーか…。」 「悪い事なんかありませんっ」 「そーだぜ、ツナ。アイツは何考えてるか分かんねーのな。」 「でも…さ、わざわざクロームに憑依してまで来てくれてるし、ヴィンディチェも可哀そうだし…たまには二人だけで仲良く…したいなって、」 つ、 綱吉君…っ 「綱吉くーん!!や、やはり君は僕の永遠のプリンセスですっ」 「わ、骸っ?!…つかなんだよ、プリンセスって!!」 「クフっ英語でお姫様という意味です。」 「そ、そんくらい知ってるよ!!!!」 あー、やはり 彼は 愛しのプリンセスです。 (なっ、骸!十代目から離れやがれっ) (まーまー、こうゆう時は置いといてやろうぜ。でも…) ((後で三倍にして返す…)) end [*前へ] |