50000hit企画 cheeky(美形生意気部下×おっさん上司) 「おっさん、この企画なんすけど」 「おっさん言うな」 俺は旅行会社に勤めてる普通のサラリーマンだ。主に旅行ツアーとかプランの企画をしている。大学を出て入社して、14年が経つ。 因みにピチピチの36歳。…独身。けしてまだおっさんって年じゃねえ…はず…。 俺をおっさん呼ばわりするこいつ、戸川はなんとまだ入社2年目の24歳。 俺とは12歳差だぞ?12歳差。キャリアも12年違う。ナメられたもんだよな… このクソ生意気な部下の教育係に任命された俺は超・不運だ。 「見てください。この時間編成だと、神社見学の時間とその後の果物狩りが…」 俺のデスクに企画書類を置いて、覗き込む戸川。顔が近い。いつも思うんだけど、こいつは人との距離感を間違ってる気がする。毎回毎回なんか近いんだよ。 ちらりと真横にある顔を見る。 …くっそ、悔しいことに超男前だ。睫毛長いし、鼻筋通ってっし。あーあ、肌も超綺麗。さらさらの焦げ茶色の髪からはなんか良い匂いがするし。むかつくな…おまけに、何だかんだ言って仕事も超出来んだよ。勿論女子社員からの人気はナンバーワン。まじうぜえ。 「おっさん聞いてんの?」 不機嫌そうな声を掛けられて我に返った。 やべ、ちょっと見とれてたとかバレたら何言われるか… 「今、俺に見とれてましたよね?」 バレてるううう!!! 「はあ?み、見とれるわけねえだろーが!この勘違い男!!自意識過剰!」 「照れなくて良いんですよ。解ってますから、俺かっこいいし?」 「うるせえ!書類は目え通しとくから、さっさとデスク戻れ」 「はいはい」 機嫌良さそうにニヤニヤ笑いながら背を向ける戸川に、ため息が出てしまうのは仕方のない事だろう。 「あー…終わったああ…」 一日中パソコンに向かっていて凝り固まった肩を回し、思い切り伸びをする。 疲れたー…うう、目がシバシバする。 ちらりと時計を見ると、もうとっくの前に勤務時間は過ぎている。 「お疲れです」 カタンとデスクに缶コーヒーが置かれ、驚いて視線を上げると、なんと戸川が居た。 「さんきゅ。お前も残ってたのか」 「ええ…まあ…色々やることがあって」 やっぱ真面目なんだよなあコイツ。これであの生意気な態度さえなければスゲー可愛いのによ。 「うし。じゃあ俺そろそろ帰るわ」 「…ご飯」 「あ?」 「真面目に残業した部下を、たまにはご飯とか連れてってください」 「…それ、お前が言うなよ」 図々しい野郎だな! けどまあ…たまには男同士顔付き合わせて酒飲むのも良いかもな!上司の威厳ってのを見せてやろうじゃねえか。 「よし!今日は飲みに行くぞ!」 「おっさん、しっかりして下さい」 「うるへえ…うう…気持ちわりい…」 「もうすぐ俺ん家着くんで、頑張って下さい」 どうしてこうなった。 居酒屋に着くなり酒を飲み始めた。最初は同じペースで飲んでたのに、戸川のやつが予想以上に飲むものだから負けじと飲んだ。…それでこの様だ。戸川のやつ、かなり酒に強いらしい。顔も全然赤くなってないし、ケロっとして俺の肩を支えている。 「着きましたよ」 「お邪魔しまーす」 益々酒が回ってきて、頭がふわふわしてきた。へえー、ここが戸川の部屋かあ。2DKのマンション。けっこー広いし綺麗じゃん。 「大丈夫ですか」 「ふー…だいじょーぶよ、全然へーき」 「そうは見えないですけど」 寝室に連れてかれて、ベッドに降ろされた。戸川はいつもより優しい顔をして、俺のジャケットを脱がしてネクタイを外してくれる。おお…何かすまんね。 「戸川あ、お前意外と世話焼きタイプう?」 「…おっさんが、ダメ人間だからですよ。アンタだけです」 靴下も脱がされてー、ワイシャツのボタンも外されてー、頭を撫でられてー?え? 「んー…?なあに?なんで?」 「嫌ですか?」 あー…益々頭ん中ふわふわ。眠くなってきた… 「やじゃない、きもちい…」 「…っ…先輩、俺…」 ん?うわ…初めて先輩って呼んでくれたんじゃね?嬉しいなあ…うわあ、すげえ嬉しい…そして眠い…あーもう、何でも良いや… 「ん?…うわ!」 目が覚めた瞬間、端整な寝顔が目の前にあって驚愕した。なっ…戸川か?なんで? 慌てて離れようとしたものの、ガッチリと腰を抱き込まれていて離れられない。 …待て待て待て。ちょっと待て。何で俺、ハダカなんだ?真っ裸じゃん?え?え? 「イテテ…」 くっそ、頭イテエ…だけじゃない。 さあっと血の気が引く。 なんか…なんか、あの…口に出すのがアレな場所がズキズキするんだけど。おしりの穴的な…いや、そのまんまなんだけど…え?なんで? 全裸で…アソコが痛くて…隣には同じく全裸の戸川… いやいやまさか… 「嘘だあああああ!!!」 「ん…っ、安孝(やすたか)さん?」 戸川が目を覚ました。 「戸川お前!…ん?ちょっと待てなんで名前呼び?え?」 こいつ俺の下の名前知ってたの?つうか、おっさん呼ばわりは止めたのかよ。 …じゃなくて! 「お、お前…なん、昨日…」 「安孝さん、昨日まじ可愛かった…ありがとうございました」 ちゅ、唇に柔らかな感触。これはあれですか、キッスですか。 「と、戸川…もしかして、俺ら昨日…」 「戸川なんて止めてください。俺たち恋人同士なんだし…昨日みたいに、文哉(ふみや)って呼んで?」 知らねえよ! てか…やっぱり俺ら、確実にアレだな。 …ヤっちゃったみたいだ。あはは。 あははは…はは… 全く記憶にない。 しかも何だって?今こいつ、恋人って言った? 「なあ戸…じゃなくて文哉。俺ら、もしかして付き合ってる感じ?」 恐る恐る尋ねた瞬間、俺は後悔した。 戸川のやつが、すごく悲しそうな顔をしたからだ。 思わず俺まで胸がズキリと痛み、同時にキュンとし… …って違う違う。今のは何かの間違えだ。 「もしかして…安孝さん、昨日のこと覚えてないの?」 俺はギョッとした。なんとあの戸川が泣き出したのだ。 …ずりい。ずるすぎる。 あんなに生意気なのに、こんなに可愛い顔で泣くだなんて。 なんか変な気分になってきた。 「安孝さん、昨日…ずっと好きでしたって言ったら、付き合って欲しいって言ったら、笑顔で頷いてくれたのに…!」 「そう、だったのか…」 なにこいつ!俺のこと好きだったの? あれ?俺…不思議なことにあんまり嫌じゃない。 …何でだろ。 「俺、凄い嬉しくて…!普段、照れ隠しに生意気な態度ばっか取って甘えてたから…嫌われてるかもって思ってて…だけど、先輩は気持ちに答えてくれた」 「戸、…文哉…」 …やっぱ錯覚じゃない。気のせいじゃない。俺は今、物凄くキュンキュンしている! 「安孝さん、安孝さん…好きなんです…いつも生意気言ってごめんなさい…」 「…可愛い」 「へ?」 思わず俺は、目の前の可愛い部下を思い切り抱き締めていた。 因みにお互い全裸ね。 …気にしない! 「わーったから。もう泣くんじゃねえ…あれだ。俺昨日、お前の告白に頷いたんだろ?」 「うん」 「いくら酔ってた時とは言え、一度言った事は取り消さねえよ。男が廃る」 「安孝さん…!!」 文哉はもう、今まで見たことないくらいにキラッキラの笑顔を見せてくれた。 あー…くそ、なんかほだされた。可愛い。俺どうかしてる。まだ酔っぱらってる? それでも、まあ、良いか。 そう思えるくらい、このくそ生意気な部下が、可愛く見えた。 End. おまけ あ。でももうひとつ気になることが。 「…なあ、俺掘られたの?」 「…?当たり前ですよ?可愛い安孝さんの狭いお尻の穴をトロトロに溶かして拡げて、俺の【ピーッ】で【バキューン】して滅茶苦茶に可愛が、」 「うわあああ!もう良い!思い出した思い出した!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |