長編小説 2 違い 俺、男は苦手だから。そんな一言で済ませたマスター。 マスターはリン/レンを欲しがったのじゃなくて、リンを欲しがったことは誰だってわかる。 「リン!ミク!飯食い終わったら俺の部屋に来てくれ」 「「は〜い!」」 マスターはリンちゃんを気に入ったらしい。 ミクとデュエットばっかりさせている。 「楽しみだね、リンちゃん♪」 「うん!でも…あたし、レンともカイ兄とも歌ってみたい」 「…すまん、リン。そりゃ無理だ」 マスターは即答した。…まあ男の調教苦手だからな。 「ごちそうさま」 レンはそんなリンちゃんとマスターを無視して食べ終わると食器を流しに置いて、部屋に戻ってしまった。 「レン君って元からああいう性格なの?」 「…ううん。前はもっと元気があったよ?」 「…前は?」 「えっ!あ、いや、なんでもないよ!あ、ごちそうさま!」 リンちゃんは慌てたようで逃げるように部屋に戻った。ミクの「お皿、片付けてないよ〜」という言葉を無視して。 「あの…マスター」 「なんだ?」 マスターはさっきのリンちゃんの行動を特に気にしていないようだ。 「リンちゃんとレン君をどこで買ったんですか?」 「もらった」 「「もらったぁ!?」」 僕とミクは声をハモらせた。 「誰に?」 「俺の友達。そいつに「俺の誕生日だし買ってくれ」って言ったらマジで買ってくれたよ」 太っ腹だしなぁとマスターは付け足した。 でもちゃんと買ったならおかしいことは何もないし…。 「あ、そういやあいつ、安くで済んだ〜って言ってたな」 「早く言ってください!」 「え?ああ、すまん」 しかし、どこで買えばそんなに安く済むんだろ? 僕はずっと悩み続けていた。 (あなたとは違うから) (僕と君は同じような気がする) [*前へ][次へ#] |