共通して云えることは片思いでも、両思いでも、恋をすると周りの目が気にならなくなってしまう。白目で見られようが、陰口を叩かれようが、ちっとも気にならないという、まさに恋の魔法。
第3者の目から見たら恐ろしい光景でも、彼等にとっては『Love is blind』。恋をすれば誰でも『Love is blind』の魔法に掛かってしまう。
『Love is blind』の魔法が解けたら、残る物は何が残る。
良き思い出として次の恋を探すのか、悲しき思い出として嘆くのか、胸糞悪い思い出として心の内に封印してしまうのか。何にせよ、『Love is blind』の魔法の後遺症は残るだろう。残骸と向き合う人を思う度、憐れだと感じる。
なんて、堅苦しいことを思うあたし。
こんなことを思うあたしもまた、『Love is blind』の魔法に掛かっていると云える。
理性を辛うじて保っているだけで、今にも音を立てて崩れそうだ。
それでも、保とうと意地になっているのは、『Love is blind』の魔法に掛かって打ちのめされた友人を何人も見てきたからだ。曰く『Love is blind』の魔法が解けた後遺症の殆どは、思い出という名の爪痕が残り、思い出すだけで心が疼く。