003
* *
つまらない授業を終えて今日も学校生活が終わる。
今日は家に帰って何しよう。
ふと脳裏に俊太の顔が…頭を振ってヤメヤメ! と頭を叩く。
青春をまた奪われるだけだっつーの。思い出すだけで気が重くなる。気晴らしに、ゲーセンにでも寄ろう。
靴を履き替えて、門に向かう。
「…あれ?」
門に誰かいる。あれはー、中学生? …ゲッ!
思わず悲鳴を上げたくなった。
なんでいるの?!
しかも不機嫌な面して突っ立ってるし。
あたしに気付くと体ごとこっちを向いてきた。
無視だ。無視しよう。
あたしの青春は終わったんだ。新しい青春を見つけるって決めたんだ。
突っ立っている俊太の横を素通りして、無視すれば「待てよ」と不機嫌一色の声。それでも無視する。
今日はゲーセンに行くんだ。気晴らしするんだ。
「おい、待てよ! 森! 眼鏡!」
「煩いなー。何?!」
キレ口調で振り返れば、黙ってりゃ天使のような美貌が目に入ってくる。
その美貌にクソムカツク! その顔、抓ってやろうか?
「無視するんじゃねえ…その、話がある」
「あたしはないよ」
冷たく突き放せば何処か悲しそうな顔をしてきた。
良心が痛んだけど、ムカツク方が断然上だった。ムッとしたまま、あたしは商店街に向かった。
俊太も諦める…って思ったけど、後ろから距離を取ってついて来た。
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