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 こうして昼休み、長く長くなっがーく身悶えた私だけど、午後の授業も随分悩んだけど、意を決して決意表明(あ、心の中でだけど)。
 

 今日は男の子達と積極的に話してみる。いつも向こうから話し掛けてもらってるしっ、お弁当ネタで話し掛けてみるんだ。それでもってケイさんのアドレスを私のアドレス帳におさめる。頑張っておさめてみせる!
 
 ……よし、決意した。したよ。しちゃったよ。できるかな。で、できないかも。
  
 折角固めた決意も、いつものゲームセンターを訪れてみればふにゃふにゃのバッタンキュー。
 既に来ている男の子達を前に、オロオロオドオドな気持ちになってしまう。どうしようどうしようどうしよう、シズさんとはフツーに話せるんだけど、他校の不良さん達ってなかなか話し辛いんだよね。ヨウさんとかは大丈夫なんだけど。
 ま、まずはモトさんに声を掛けてみようかな。うん、モトさんってわりと気さくに話してくれる人だから!

 私は、今日は格ゲーしようかなーって悩んでいるモトさんに声を掛けた。
 「オッス。ココロ!」元気よく挨拶してくれるモトさんに、私は笑みを返して早速質問。男の子ってお弁当を作ってもらう時、お肉系がいいですか? お魚系がいいですか? それとも野菜系ですか? って。
 
 そしたらモトさん、すかさず返答してきてくれる。


「ココロ、彼氏でもできたのか!」


 ………、返答内容が誤ってたけど。
 
 「違います」シズさんに作ってあげる約束をしたんです、友達として。
 ちゃーんと訂正を付け加えて言えば、「なーんだ」つまんねぇのって返された。どういう期待されたんですか、私。


「んー、弁当ねぇ。オレは断然肉系だけどな。やっぱガッツリ食いたいじゃん? しょうが焼きとか入ってたらサイコーだけど」

「男の子って皆そんな感じですかね?」

「どうだろうな。少なくともオレは、あ、ヨウさーん! ちょっといいですか!」


 ヨウさんにも意見を求めるべく、モトさんが彼を呼んでくれる。
 彼がこっちに来てくれるということは自然と舎弟さんも一緒…、あれ、一緒じゃない。なんだかちょっぴり残念なようなホッとしたような。私の心情なんて露一つ知らないヨウさんは、私達の下にやって来て「どうした?」首を傾げてくる。
 私はモトさんにぶつけた質問をヨウさんにもぶつけてみた。

 するとヨウさん、にやりにたり顔を一つ。
 どんな顔をしてもイケメンさんはカッコイイみたい、嫌味ったらしい顔でさえ不覚にもカッコイイと思う私がいた。…私のおばか。
 
「へぇ、ココロも女だなぁ。耳貸してやるから、どんな男か俺に教えろよ。もしかしてつるんでる奴等の中にいたり? やるねぇ」

 ……好きですよねぇ、みんな。こういうネタ。


「……、あ、あのー…彼氏ができたわけじゃないんですけど」

「わーってるわーってる。最初はみーんなそう言うんだって。深く突っ込まないから、どんな奴かくらい教えろって」

 
 だ・か・らっ、違うって言ってるのにぃいいい! 私、そういうからかいネタっ、すっごく苦手なのに! 


 「うう゛ー!」チガウチガウと唸る私に、「はいはい」ヨウさんは面白おかしそうに肩を竦めた。で、「肉がいい」質問に答えてくれる。魚や野菜よりお肉の方が力が出るらしいです。ヨウさん、いつも体動かしてるしなぁ。主に喧嘩だけど。
 健康面を考えると魚や野菜だけど男の子は女の子に比べて体力があるから、力が出るものを食べたいんだろうな。

「シズさんもお肉かな」

 シズさん、積極的には喧嘩しないけど、やっぱり男の子だし。


 ポツリと独り言を漏らしたら、「お?」お相手はシズか、ヨウさんがニタリニタリ口角をつり上げてきた。
 「違います!」オトモダチとしてお弁当を作るのだと主張、やっぱりヨウさんは「はいはい」と笑って私のおでこを指で弾いてきた。デコピン、地味に痛いんですけどヨウさん。

 むくれる私に一笑するヨウさんは、「男は期待するもんだぜ」意味深に言葉を送ってくる。





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あきゅろす。
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