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006



 閑話休題。
 こうして全員がポジションを曝け出し、ゲームはお開きになったわけだけど、「もう少しこのままでいいな」とかヨウがほざき始めた。冗談じゃない! このまま俺にモトを演じ続けろと?! 俺、ココロを崇拝し続けないといけないんだけど!
 
「いやでもよ。オモレェじゃんか。ポジションでいえばココロがリーダーのモトと舎姉弟だぜ? モトと俺が舎兄弟。んでもってケイがココロの弟分で。キヨタが副リーダー。弥生とシズ、モトとワタルがカレカノ? だろ?」

「モートちゃーん。SMプレイは「丁重にお断りさせて頂きます!」

 うん、ゲームは楽しかったけどこのまま続行するのは困るな。
 俺もそろそろ普通の調子のり田山圭太に戻りたいですもの。


 このまま続けるか、はたまたやめて別のことをするか、二択を迫られていると「すんませーん」

 第三者の声が倉庫内に響いた。

 訪問者らしい。
 首を捻って出入り口を見やりと、そこには荒川チームの宿敵ともいえるチームのひとり山田健太が立っていた。……最悪なことに日賀野と魚住もいる。あからさま不機嫌面を作るヨウとは対照的に、遊びに来たんだぜオーラを出す不敵なジャイアンが出入り口に降臨している。まったくもってお呼びじゃない。

 健太は俺に用事があったらしく手招きしてくる。日賀野が傍にいるから行きたくはないけど、呼ばれたからには行くしかない。
 どうせ健太のことだ。CDを返す理由で駄弁りに来たんだろう。こっそり行こうとして二人に見つかって現在に至るってところかな。目が物語っているし。
 案の定、健太はCDを返すために訪れたようだ。貸していたアルバムを受け取り、悪いと軽く片手を出してくる。いいよいいよ、こうして対峙していたチームに足を運べるくらい平和になったってことだ。これくらいの現実は許してやるよ。

 ……でもやっぱ日賀野は苦手だなぁ。ニヤッと笑ってこっちを見てくるし。
  

「よう。プレインボーイ。また会ったな」


 うぐっ、会ったもなにもアータが来たんでしょうが!
 心中で反論していると魚住がいつもの口調でワタルさんに挑発をかけた。彼はおひょひょーん! 今日も暇人してそうじゃい! って言ったんだけど、某ワタルさんの反応は。

「わ、ワタル困っちゃう。おろおろ。今、アキラと喧嘩なんて無理。おろろろろろ」

 ……まーだココロになり切っていた。
 いや、似てませんからね! ワタルさん! ココロはもっと天使ですよ!
 不意打ちだったらしく魚住が若干引いていた。いや、かーなりドン引いていた。「なんじゃい熱でもあるのかのう?」魚住の言葉に、「心配して下さってありがとうございますおろおろ」ぺこりとワタルさんが頭を下げた。魚住が完全にドン引いているのは言わずもがなだろう。
 日賀野も眉間に皺を寄せている。相当キモかったらしい。
 
「……、ワタル。変なものでも食ったのか? ミジンコ」

「だっ、誰がミジンコ「ヨウちゃーん。違うでしょ」あ? ……ああ、悪い悪い。今、テメェと口論はできねぇんだわ」

「は?」


「いやだから、俺は無理なんだって。悪いけど。テメェがミジンコっつった相手はな、俺等のリーダーだ! なあ、リーダー」





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