004
「僕、ヘタレじゃないんだけど!」
「……メシ…ばかり、考えているわけではない。デザートも…、考えている!」
はいそこ、お黙りなさいね。
更にお次のコンビは酷かった。
コンビはハジメとシズだったんだけどさ。こいつ等の演技力の乏しさといったら……。
「妹分に手を出すヤツは地の果てまでぶっ飛ばす! それが僕の務め!」
「それは凄い、みたい…なー?」
「違うってシズ。弥生はそんな口調じゃない」
「……、きゃー、ハジメ…抱いてー」
「そんなの弥生じゃなぁああい!」
「ハジメ、も、響子じゃない」
「いやいや僕は完璧でしょ。おほほほっ、そのうち、チームをうちが制す! ッ、ちょ、響子! なんで拳を向けるの! 似てるでしょ?! 響子ってこんな感じッ、アイッダー!」
ハイ、撤収。
素敵な漫才あざーした!
さあて、段々と消去法で役が消えていくぞ。俺の分身はまだ現れないな。田山圭太を演じるのはどこのどいつだい!
残りの面子で順番を決めるためにもう一度ジャンケン。
するとグーとチョキで面子が綺麗に分かれた。残りがヨウ、ワタルさん、響子さん、モトの四人。グーがヨウとモトで、チョキが響子さん、ワタルさん。ということは?
「へーい、来ましたっぴ。うち様の時代。ワタルちゃーん、準備はOK?」
「わ、ワタルちゃん…、おろおろ。OKだよ。おろおろ」
「ったく、シャキッとしやがれ。これからうち様の時代がくるんだからよ。うらぁ、おろおろしてると女にしちまうぜ? SMプレイは好きか?」
「キャッ! ワタルちゃーん、大好き! おろろろろ」
か、か、可愛くねぇえええ!
二人とも可愛くなさ過ぎる! 響子さんっ、ワタルさんになりきり過ぎて怖い! マジでチームの覇者になりそう! あんたこそ荒川チームのボスだよ! って言ってやりたいくらい怖い! んでもってワタルさんっ、ちっともココロじゃないです! ココロは天使、俺の天使! SMプレイ好きなココロとかっ、ココロとか!
「こんな風に見られていたなんて」ココロがががーんっとショックを受けている傍らで俺も大ショック。と、ワタルさんが俺に向かって可愛らしくウィンク攻撃をしてくる。
「優しくてねぇーん、ケイちゃん。意地悪大歓迎よんさま」
……こんなココロだったら俺は泣く。号泣する。カレカノとしてやっていける自信がない。俺の天使、いずこ?
ああ、そこでおろおろとショックを受けている貴方様こそ俺の彼女ですね! 見るだけで癒されます!
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