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05-04



にしても相変わらずヨウはダルそう、欠伸をする始末だし。


そういう態度で更に教師の怒りを煽っているって分かってねーよなー。

煽ってバッカだと余計に説教が長ったらしくなるんだぜ? こういう時は表で反省した態度を作って素直に謝るのがベストだって。

ああ、言った傍からまた欠伸している。
お前の担任が睨んでいるぞ。こりゃヨウの方は俺以上に担任とお話し合いになりそうだな。

呆れながらチラチラ様子を見ていたら、俺の視線に気付いたのかヨウがこっちを見てきた。

嗚呼、バッチリ目が合っちまったよ。呼び出されて担任に説教もどきされている、このタイミングでヨウと目が合っちまった。


なーんかイヤーな予感がする。地味の勘が疼いて仕方がない。

そんなことを思いながらも、俺は前橋にバレない程度に手を上げてヨウに挨拶。   

だって目が合ったんだぜ? 俺、ヨウになんて気付いてませーんなんて無視するわけにもいかないだろ。無視したら追々なんて言われるか! 俺の挨拶に何を思ったか、ヨウは暇から抜け出せるみたいな顔を作ってきた。

……なあ、ヨウ、人のことは言えないんだけどお前、一応説教中なんだろ? なに、その楽しげな顔。

なんで椅子引き摺って俺のところに来るんだよ。あっち行ってくれ! シッシ! 俺、今、前橋とお話し合い中!


「ケイ。何してるんだよ、こんなところで」


だぁあああッ、お前ッ、空気読め!

何してるって、どっこをどう見たってお前と同じ理由だろ?! 呼び出されて説教もどき受けてるんだよ!

ほっらぁ、俺とお話していた(一方的愚痴を零していた)前橋がこめかみ押さえてるだろ?! お前に説教垂れてた担任の怒りを、お前は肌で感じないのか?! めっさムンムン怒りオーラが向い側の机から感じるんだけど?!


「何って……説教喰らってるんだけど……出席のことで」

「はははっ。ダッセェ、ケイ。やっちまったなー」


ださッ。
人のこと、言えないだろ、荒川くん。

君も出席のことでやっちまっているんだろ? 寧ろ俺の出席、ある意味、君達のせいでもあるんだぞ。

「やっちまったよなー」

ヤケクソで笑った。笑って見せた。もう笑うしかないぜ、マジで。


「荒川。森次先生がオカンムリだぞ。戻れ」

「ウッセェな、前橋。テメェにはカンケーねぇだろ。話し掛けんな」


あああっ、前橋に喧嘩を売るなよ! とばっちりが俺にくるだろ? お、れ、に。

内心メッチャビビッている俺を余所に、ヨウの担任がこっちにやって来た。

「荒川ッ、人の話を聞かない上に途中放棄かッ、話は終わって」

「はいはいはいはい。これからはちゃんと授業にサボりませんー。スミマセンデシター」

ヨウ、謝る気ゼロ。
教師の神経を逆立てすることがスンゲェお上手。

すぐ傍で見ている俺の心境『帰りたい。逃げたい。俺には関係ない!』

ああ、胃が嫌にキッリキリして、心臓がバックバクしている。

「それだけじゃないことくらい分かってるだろッ、そのダラシない服装を」

「チッ、一々ダッリィんだよ。胸糞ワリィ」

「荒川! 校則の一つくらいは守れ! それが学校のルールであり、社会のルールだ!」


「俺に指図してんじゃねえよ」


「ダリィ。ウゼェ」俺の隣で愚痴を零しているヨウの機嫌は最悪。仁王立ちしているヨウの担任も機嫌は最悪。

俺は交互に対立している2人を見合って、様子を見守るしかできない。前橋とのお話し合いとか何とか、そんなのことよりも目の前のやり取りが恐すぎて動けないっつーの!




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あきゅろす。
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