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17-18


「確かにこれはケイの提案」


けれど、チーム一丸になって五十嵐に挑む。
それが自分の意思であり、チームの意思だとシズはヨウに返して俺等に異論がないかどうか聞いた。勿論ない俺等は頷く。

納得いかない顔を作っているのはヨウだ。

「無理だろ」

その体で何ができるんだと愚痴ってきた。頼むから大人しくしてくれよ、こっちが行動するまで……なんて独白がチラホラ。そんなヨウにシズは首を傾げた。


「負けはしない……勝つつもりだ。ヨウは何が不満だ?」

「全部だよ。気持ちは分かる。けど、チームは今、ボロボロの状態だろうが。死にかけのチームで挑んでも一緒だろ」


手ごわいな、ヨウ。
もう一押しで気付きそうなのに……ん? 十押しくらいか?
チクショウ、しょーないな。舎弟が再び嫌味キャラを演じてみますか。ハハッ、俺ってつくづく貧乏くじ男! もう野となれ山となれ灰となれー!


「だから言っただろうヨウ。お前に今のチームは止められない。チームに背を向けたお前じゃ無理なんだ」


向かい側で胡坐を掻いている舎兄に意見した。
相手の怒気が上がったような気がするけれど、「止めたいなら道は一つ」俺は総無視して腰を上げる。

見上げてくるイケメンにシニカルに笑い、表に出るよう促す。
本当にチームを止めたいなら提案者に力づくで勝てばいい。

ヨウが勝てば考え直すよう、副として頭に意見してやると肩を竦めた。これは案を出した提案者に責任があるのだから。


「表に出ろヨウ。俺に勝てば考え直してやるよ」


さすがの舎兄もこれには目を点。
ただし、俺のわざとらしい演技はヨウ以外の皆に伝わっている。


「え、えぇえ?! ケイさんっ、うぇええヨウさんとタイマンを張るんっすか?!」


いや、伝わって……いない馬鹿が一人いるんだけど。
体に縋ってくるキヨタがそれはあんまりだと止めに入ってきた。

こらこらキヨタ。
俺のやることなすことに対して一々真に受けるんじゃない。

俺は事前に言っていただろう。
ヨウに喧嘩を売る舐め腐った態度を取るって。

こうなる展開も言っていた筈なのに、そのことについて苦労に苦労をしてココロに納得してもらったというのに、お前は納得してなかったんかーい!

ビィビィ喚いてくる弟分を引き剥がしながらシズに案を出す。
タイマン勝負をして俺が負けたらヨウの考えを汲んで欲しい。俺が勝ったら継続して欲しい、と。

悩む素振りを見せるシズは「ケイは……それでいいのか?」と質問を投げてくる。

大きく頷くとシズは結論を出す。
チームの仲に亀裂を入るのは芳しくない、目的の変更を促したのは提案者のケイ。

ならケイの意見を汲もう、そう言って承諾してくれた。

話が決まったなら早速ヨウを呼びつける。

さすがに皆の前でタイマンを披露する趣味はない。表に出てケリをつけたい。

俺の手腕の無さを知っている舎兄は迷う素振りを見せたけれど、強引な手しかチームを救えないと考えたようだ。無言で俺の後を追って来る。



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あきゅろす。
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