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<1>部活 or 同好会





―――…男にとってカワユイ女の子は正義だと信じて疑わない。ぼくの正義はいつだって女の子だった、筈なんだ!

 


「ルイちゃんの谷間は革命的だよな。すっげぇの」
 
 
ぼくの部屋の広さは六畳。
 
フローリングの板張りで、深緑の絨毯を敷き詰めて床を傷付けぬように、また足元を冷えないよう努めている。
 
大して座らない勉強机とベッド、本棚、ラック、ちょいとしたインテリアに観葉植物がある。

これでも観葉植物は大事に育てる方で、既に一年持っているモンステラが今日も元気に葉を見せてくれている。 

 
ラックにはCDコンポとお気に入りのアーティストがその領域を取り、本棚には漫画とお気にのグラビアアイドルの写真集が詰まっている。
 
ベッド下は男の聖域として表に出せない雑誌やDVD等々が息を潜めていたり。
 
なんびとも男のベッド下は覗いても触れてはいけないんだぜ? 覚えておきな!
 
 
聖域の上で寝そべっているぼくは、最近ハマッている(筈)のグラビアアイドル・安永ルイちゃんの写真集を眺めていた。
 
胸を寄せるようにうつ伏せポーズを取っているルイちゃん。
水着姿もそそるけど、なによりそのボインな胸が目を惹く。ぱふぱふされたら天国を見れるんだろうな。

それだけルイちゃんのおっぱいはボインなのだ!

 
巨乳好きというわけではないけれど、一端の男ならば必ず一目は置いてしまうそのおっぱい。

 
じっくり眺めた後、写真集を枕元に放って深い溜息をついた。

「すっげぇと思うけど萌えねぇ」

男としてあるまじきことだと寝返りを打ってベッドに沈む。
直後、四肢をばたつかせて「女の子に萌えないぃいい!」可愛いと思えど、すっげぇと思えど、きゅんがない! ショック過ぎる! ぼくは女の子だったっけ?!
 

「ちょっとまではバストレボリューションのルイちゃんに大興奮していたのに」 


今では人並みの感情しか抱けない。女好きと称された、このぼくとしたことが!
 
 
「分かっているんだよ」今のぼくは正常じゃないってことくらい。でもショックなのはショックなもんだ。

ラックに目を向けると、新たに場所をとり始めた代物が。

その場で腕を立て、頬杖を付く。どうみてもインテリアには不向きな代物だ。
順にほうじ茶、トウモロコシ茶、そば茶の袋がラックの一箇所を陣取っている。

しかもあれ、ぼくの少ない小遣いで買ったものだ。考えれるか?
 
吐息をつき、ベッドから飛び下りる。

茶袋の一つを手に取り、パッケージを眺める。遺憾なことにきゅんっときている自分がいて居た堪れない。


「うっし、今日の気分はそば茶だ。早速飲むか」
 

と、思っていた自分はいずこ?


「おっと部活のことも考えないといけないから、計画ノートを持っていかないと」
 
 
テンションが上がってきたぼくはそば茶とノートを両手に部屋を出て、軽快な足取りでキッチンに向かう。
 
 

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