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08-06


 
 送信者は度々聖界の情報をくれる裏情報屋からのようだ。
 
 新たな情報が入ったから提供する。簡単な文で綴られ、下へスクロールすると聖界のニュースらしき情報がビッシリと詰まっている。反聖界派討伐を全体的に四天守護家は声明したようだ。それにより聖界に反感の念を持つ者達は次々にプリズン(仮牢)やアウトロー・プリズン(地下牢)へと投獄されている。
 
 また危険度の高い人物は“聖の罰”を執行するらしい。聖界で最も重い罰の最初の執行は北大聖堂事件の主犯が予想される。
 
 
 依頼主(自分達のことだ)と関わりの深い異例子やジェラール・アニエスに関する情報は以下のとおり。やや酷なものになっているがご了承頂きたい。
 
 まずは異例子について。
 
 今朝、異例子のことが朝刊新聞一面で報じられた。
 聖界のマスコミが、聖界を揺るがした異例子の帰還を何処からか嗅ぎ付けたようだ。
 これまで一般民達には異例子の帰還が知らされていなかったため、また神聖なる儀式“聖の罰”を受けて無効化とするのか。危険重要人物は今まで何処にいたのか。いつ頃聖界に戻ってきたのか等、大々的ニュースになっている。

 魔界人である依頼主との関係は鬼夜一族が裏で隠蔽工作でもしているのか一面には報じられていないが、マスコミの執念は凄まじく西プリズンに身を置いている異例子への取材が殺到しているらしい。

 また西大聖堂にマスコミが押し掛けている。

 先程入った情報によると潜入取材を試みた一般天使がいたらしい。聖保安部隊によって取り押さえられたらしいが、マスコミは異例子の存在を美味しいネタとして扱いたいようだ。
 鬼夜はそのことでてんやわんやになりつつある。



「うっわぁ…、ちょ、菜月大丈夫なわけ」

 
 
 風花は思わず声を漏らす。
 聖界のマスコミに目を付けられたなんて。向こうのマスコミがどういった感じなのかは分からないが、文脈からして人間界のマスコミとさほど変わらないようだ。嫌な目の付けられ方をしたなぁ、風花は思わず心配より同情の念が勝ってしまった。

 ネイリーも哀れむ顔を作る。


「聖界のマスコミもしつこいからなぁ。ある意味人間界よりタチが悪いかもしれない。向こうは聖界を先導している四天守護家のネタを大好物にしているからな。徹底的に異例子に関する情報を掻き集めるに違いない。マスコミよりも先に四天守護家が情報を抑制するか。それともマスコミが大っぴらにするか」


 しかしこれはまた不味いことになった…。
 
 鬼夜にとっては異例子のことに関して触れられたくない話題。魔界人と繋がっていたなんてマスコミが嗅ぎ付けたら、聖界全土に大々的報道をするだろう。鬼夜は顔に泥を塗られることになる。それどころか四天守護家全体の評価も落ちるだろう。
 この騒動がどう四天守護家を動かすか。悪い方向に向かわなければ良いのだが、今は何とも言いがたいのが現状である。
 
 暗いニュースで嫌になると愚痴りながら、ネイリーは風花と共に次の文を目に落とす。
 

 次にジェラール・アニエスについて。

 依頼主と友好関係にあったセントエルフのことだが、依頼主の予想はあながち外れていない模様。
 ジェラール・アニエスの死亡は可能性的に大きく、監視していたであろう鬼夜直下・聖保安第五隊隊部が聖界に搬送中、彼を死亡させた情報が入ってきている。尚、これは不確かな情報なため、まだ確証はない。


 些細な事でも何か分かったら連絡しようと思う。
 
   



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あきゅろす。
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