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06-18


 
 あかりの家で過ごす時間はとても充実していた。それはそれは充実していた。

 部屋でアイドルの写真集を眺めたり、彼女の部屋にある小型テレビで録画していたドラマを観たり、あかりが作ったというビーズのアクセサリーを見せてもらったり。

 ある程度時間が経つと居間であかりのご家族と一緒に夕飯。
 丁度、あかりの父親・本条武生(たけお)が帰宅したため、本条家のご家族全員と夕飯を食べた。とてもお喋りが好きな家族で、一家揃ってぺらぺらぺらとお喋り。此方にも何度も話題が振られたので風花も加担してぺらぺらぺらとお喋り。
 
 さすがに「フランスってどういうとこ?」や「イタリアでは何をしていたの?」という質問には困ってしまったが(だってそれは悪魔という種族を隠すための口実なのだから)、それもあかりの助け舟により難を乗り越えた。
 
 店の宣伝もきっちりしておいた。今は諸事情で休業しているが再開したら是非とも来て欲しい。依頼も待っている。あかり以外の家族は再開したら行ってみたいと口を揃えてくれた。あかりには「高い依頼料は突きつけないで下さいよ」我が家にはお金が無いんですから、と釘を刺されてしまったが。
 
 風花はあかりの妹・ひだまりと夕飯時にとても仲良くなった。
 
 お洒落な風花の服や化粧等々…、風花自身にとても興味を示していた。
 積極的に話し掛けてくるひだまりは現在中2だそうだ。バスケ部に所属しており、毎日練習をこなしているとか。いつかバスケの試合を見に来て欲しい。彼女の言葉に風花は頷き、「応援に行くから」と微笑んだ。

 それに嬉しそうにするひだまりだが、あかりは風花に馴れ馴れしくタメ口を利いているのが気に入らないのか(自分は敬語なのに!)、始終眉根を寄せていた。
 
 
 夕飯を終えると入浴や就寝の準備を交えながら、また思い思いの時間を過ごす。

 あかりの部屋にひだまりが遊びに来たため、三人で暫くは時間を潰した。
 会話の合間合間に姉妹喧嘩をするため(妹が生意気だの、姉が口喧しいだの、喧嘩内容はとてもクダラナイ)、風花が仲裁を買う羽目になったことは余談としておこう。

 就寝の刻が近付いてくるとひだまりは自室に戻り、風花とあかりも就寝しようとそれぞれの寝床に就いた。
 ベッドで眠るあかりに対し、風花は敷布団だった。よく干されているのか敷布団はほんわかと暖かい。布団からは人様の匂いがするが嫌いな匂いではなかった。
 明かりを落とし、いざ就寝モードに入るのだが、風花は風花で人様の家だからなかなか寝付けず。あかりはあかりで友達が泊まりに来ているから寝付けず。
 
 結局布団に入ったままガールズトークをすることにした。もっぱら語ることは男性観や恋愛話だった。
 

「風花さんって色んな人と付き合ったって言ってましたよね?」

 
 ひょっこりとベッドから顔を出し、自分を見下ろしてくる少女に風花は肯定の答を返した。
 

「魔界じゃすっげぇ男遊びしてたねぇ。付き合っては別れて付き合っては別れての繰り返しさ」

「どういう男の人と付き合ったんです?」

 
 風花は色々だと答を重ねた。
 ある時はボンボンの息子だったし、ある時はチンピラみたいな男だったし、その場でナンパされたから付き合った男もいたっけな。包み隠さず語る風花は悪魔らしくニンマリと口角をつり上げた。

「あかりにだけに教えてやるよ。これは菜月も知らないことさ。こう見えてもあたし、超アダルティーなこともしたことあるんだよ。ま、1回ポッキリでやめちまったけどさ」

 檸檬を丸呑みしたような顔を作るあかりは数秒間を置き、次の瞬間素っ頓狂な声を上げた。
 

「え? それってまさかのまさか。ま・さ・かですか! だって菜月くんとはキスもまだじゃないですか! お子ちゃま恋愛してるのに?!」

「だ、ダーリンは特別なんだよ! あいつじゃなかったらあたし、普通に大人な恋愛してるって!」

 
 暴露話に喰らい付いてくるあかりに大反論し、風花は語りを続ける。




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あきゅろす。
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