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06-09


  
 あっかんべー。
 青の舎弟達は揃ってモトに舌を出した。
 
 嗚呼、ただでさえモトはヨウ一筋の男。尊敬している兄貴を侮辱されちゃあ、怒りは臨界点に達するというもの。そこに自分のことも侮辱されてみろ。怒りどっかーんだぞ、どっかーん。火山が大噴火しちまうほど、あいつ、激怒するぞ。
 目に見えるほど微動するモトは、「こいつ等っ」絶対にシメる、と握り拳を作る。

 あーあーあー、喧嘩がおっ始まりそうだな。
 ヨウはヨウで矢島に対して怒り心頭しているし、モトも取り巻きに怒りがどっかーん。まさかあいつ等、本当に喧嘩を売りに来たんじゃ「おいパシ」

 ……それ、俺のことだよな。そういやパシリのパシって呼ばれていたっけ、俺。
 
「ナンデショウカ?」

「貴様、自分の身分を忘れているだろ? 貴様はあんのパシリだぞパシリ。パシリらしく使われろ。だから放課後、教室に来い」

「え゛?」

「噂によるとチャリが得意だそうだな。使ってやるから来い」

 えぇええ、よ、呼び出されたぁああ?!
 一応俺は荒川庸一の舎弟で、荒川チームの一員なんだけど! あんたのパシリじゃないんだけどっ、てか、それ、まだ継続されていたんですか! しかも使ってやるからとか限りない上から目線っ…、なんでこうなるよ。「拒否権はないからな」ジロリと睨まれ、俺は空笑い。行くわけないだろ。
 
「ちょ、なんでケイさんに命令してるんっスか! アンタ、超偉そうだぞ!」
 
 そして俺を愛してくれている男が腰を上げちまうというね!
 キヨタ、俺がスルーしておけばいいだけの話だから座りなさい。今はお食事中、座りなさい! お前まで出てきたら、収拾つかなくなるんだぞ、この場!
 「気にしてないから」俺はやんわりと座るよう指示を促す。でもキヨタはムムッと眉根を寄せて矢島を睨んでいた。その眼が気に食わなかったのか、すかさず谷と川瀬が応対。

 「あんちゃんを」「睨むなんて」「最悪」「最低」「「生意気だ!」」
 
 とかなんとか…、どんだけお前等、兄貴ラブなんだよ。
  
「お前、何様でアンちゃんにガンを飛ばしてるんだよ! パシはパシ、アンちゃんに使われて当然なんだぞ」

「そーそー。あんちゃんに使われるパシは幸せ者。ブサイク不良に使われるよりマシだろ。そのナリなんだ、パシリという名の星の下に生まれてきたんだろ。ははっ、ザマァ」


「け、ケイさんを使うと言ったなっ。パシリなんて言いやがったなぁあああ! 俺っちの兄貴をぉおお!」

「ま…またしてもヨウさんを侮辱ッ…、オレの兄貴に向かってっ! そっちだってな、ブサイク不良じゃないか!」

「モト、もっと言ってやれ! 俺っちも言ってやる!」


「「お前等の兄貴、ブサイク不良!」」


 うぇーっだ。
 モトとキヨタは舌を出して先輩舎弟二人に喧嘩を売る。カチンのブッチン、黙っちゃいないのは矢島ラブの舎弟二人だ。




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