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04-11


 
【スーパー付近倉庫裏
 荒川チームたむろ場にて】
 
 
「―――…はい、もしもし。田山です。うん、うん、動き出したっぽい? 目撃情報等々の場所は? 駅周辺? ……オーケー」
 
 
 んじゃ皆にそれを、あ、タコ沢は無事な『谷沢だゴラァア!』ど、怒鳴るなって。
 弥生や利二に連絡は? うん、うん、了解。とにかく気を付けろよ。無事でいてな。じゃあな。

 …っと、電話だ。
 
 はい田山です。あ、弥生か。うん、うん、今タコ沢から連絡があった。楠本は駅周辺に出没したらしい。
 うん、酒屋の路地裏付近か、了解。引き続き響子さんと動きを掴んでいてくれ。それから「ケイ。五木から連絡が入ったよ」あ、ナニ、ハジメ? 利二から? 了解。弥生、気を付けてな。響子さんにもそれを伝えてくれ。
 それからなるべく、連絡はココロの携帯に。うん、俺の携帯は繋がらない可能性大だから。

 うっし、次。
 
 はいはいはい、お待たせマイフレンドジミニャーノ。で、どんな感じ? 古書店を通り過ぎた? 国道三号線沿いを走っている?
 ということは、この延長線上でいけば、目的地は川原側の路地裏に飛び込むな。浅倉さんエリアに入りそうだ。狙い通りっていったところだな。うん、また情報があったら連絡宜しく。ハジメの携帯から連絡をくれ。
 気を付けてな、いつもごめん。ん? 俺がカッコつけだからしょーがない? う、煩いな、切るぞ。


「よし。情報はこんなもんか。ということは」
 

 通話を切った俺はハジメに携帯を返し、地面に広げている地元の地図に赤ペンで印を付けていく。
 えーっとまずは駅周辺に出没したからここらへんで「なあケイ」、次は酒屋の路地裏付近だから「ケーイ」、最後は国道三号線沿いを走っているから大よそ川原側の路地裏に「まだかー?」


 ………。


「ヨウ。ちょっと待ってくれないか? 俺、考え中」

「んなこと言われても、待ちくたびれたんだよ。さっさと指示出してくれって隊長」
 
「マジ、その呼び名やめてくれってヨウ! お、おぉおお俺にプレッシャーを掛けるな!」
 
 
 うわぁあああ胃が痛いっ、痛くなってきたぁああ!
 
 赤ペンを握り締めて身悶える俺に、「隊長早く」ヨウがバッチシ悪意のあるイケメンスマイルで指示を促してくる。
 こいつ、マジもう張り倒してやりたいっ…、頼むから俺にプレッシャーを掛けないでくれ! 俺はプレッシャーに弱いタイプなんだからぁああ! 伊達に学級委員や応援団等々日向係りを避けてきたジミニャーノじゃないんだぞ!

 責任という二文字に押し潰されそうになる俺を助けてくれたのはシズ。
 ヨウの頭を拳で殴って、「隊長の邪魔をするな」俺からキャツを引き離してくれる。


 助かった反面、彼からもプレッシャーを掛けられたような気がするのは何故だろうか。胃がますます痛くなってきたぞ。


 おっと、そんなことをしている場合じゃない。
 俺は中断していた作業を再開し、手早く線と線を結んだ。時間がないと分かっているからこそ、ちょっち焦りが出てくるけど今は冷静に。冷静に。冷静に。この作戦の指揮官は俺、タコ沢、ハジメの三本柱で成り立っているんだから。
 
 「ケイ」今は副隊長のハジメに名前を呼ばれて、俺は一呼吸。
 俺の言葉を待っている司令塔がアイコンタクトを取ってきたから、「作戦は成功したみたいだ」話を切り出す。




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