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04-03




 頼むから、そういうことを言うのはやめてくれ。


 桔平の一喝に軽く目を見開いていた蓮だが、見る見る表情を崩して「悪い」もう言わない、と言葉を返した。
 こうして仲間が自分を思って叱ってくれることは有り難いことだ。一度は失ったと思った居場所を、彼等は自分に、自分達に与えてくれた。喜ばしいこと。けれど片隅で“だからこそ”戻らない方が良かったのではないかと卑屈になる自分がいるのも確か。
 
 楠本のように居場所を失った、舎兄を失った輩もいるというのに、ノウノウと居場所(此処)にいていいのかどうか。

 お前は悪くない。あいつ等が悪い。
 どんなに慰められても、この罪悪感は簡単に拭えそうにない。
  
 
「た、大変大変大変っ! ヨウ、いる?!」


 と。

 けたたましく扉が開かれ、弥生が弾丸のように飛び込んできた。
 苛立っていたヨウを見つけると、「ケイ達が戻って来た!」彼女は一報。慌てた様子で、三人が三人とも立てる状況じゃないと報告。なんか体はびしょ濡れだし、動けそうにないし、とにかく来て! と早口で捲くし立ててくる。

「ケイ達が…ヤラれたのか?!」
 
 一変してヨウが駆け出した。その速さは風のよう。
 灰皿に煙草を押し付けて、蓮と桔平も後に続いた。そこで見たのは、出入り口でぐったりと寝転がっている三人の姿。濡れた体も目立つが、その疲弊し切った姿は目を瞠る。
 
 ゼェハァと息を弾ませて、定まらない焦点を宙に泳がせている三人の下には既に仲間達が声を掛けていたが、返答する余裕はなさそうだ。二人は顔を見合わせ、人盛りの出来ている出入り口に向かった―――…。
 



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あきゅろす。
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