013
「【マナ】以外の魔法を体内に取り込めるなんてな。飼い主は三流だが、お前はやっぱ一流だな」
『そりゃ俺ちゃま最強だからな!』
「なのに三流につくのか?」
『俺ちゃまが選んでやった主人だからな!』
クッソーエラソーなこと言いやがって。マジ、何も反論がデキない自分がイッチバン悔しいんだけど。
片眉をつり上げ、アルスが握り拳を作る。
「宝の持ち腐れだな。三流がこんなドラゴンを持ってなんて」
「ッ、ウッセー! お前にはジランダがいるだろ!」
「フン。ドラゴンは2、3匹飼うのが普通だろ? 三流にはそのドラゴン、勿体無さ過ぎる」
両者睨み合い、2人の間に青い火花が散った。
緊迫した空気が漂う中、ベルトルが自分の【マナ】をジランダに送る為、スペルを唱え始める。今度は長くスペルを唱えている為、それなりの力が注ぎ込まれると考えてイイだろう。
ラージャが身構え、アルスにもう1度、初級魔法を自分に向かって放つように言う。
シールドを張るだけでは、絶対に自分達は負ける。
承諾したアルスは、ラージャに向かって先程と同じ初級電撃魔法を放った。それを体内に受け入れたラージャが、攻撃してくるジランダに向かって電撃を吐いた。
先程よりも威力が大きかった為に、相殺はしたものの、お互いの攻撃が四方八方に飛び散った。
「っ、アブネ!」
『アルス!』
「……ッ」
『ベルトルさま!』
互いの主人を守ろうと2匹が、それぞれシールドを張った。
おかげで2人は攻撃を負わずに済んだ。
「ッ、フギャアアアアアー!」
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