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007




「ルンタッタ〜♪ ルンタッタ〜♪ 悔しかったらワシを捕まえてミソ〜♪」


(歌までッ、余程、逃げ足に自信があるようだなッ)
(ぶっ飛ばしてー! あのチビジジイ!)
(2人とも、落ち着いて。あ、見て、モジュが) 


 モジュが足を止める。

 3人はサッと隠れてモジュの様子を窺う。
 モジュは左右見渡し、目の前の教室に入っていた。モジュが入って行ったのは保健室だった。保健室のベッドでまさか、寝るつもりだろうか?有り得る。さっき食堂で飯を食ったほどなのだから。
 3人はこっそりと校舎から出ると、保健室の窓側に回って窓から中にいるモジュの様子を窺う。


 保健室に入ったモジュは薬瓶が置いてある棚から何やら瓶を取り出していた。
 


「光の傷薬じゃろ。満月草の解毒剤じゃろ。それからさっき理科室でパクったコウモリの翼の粉末とクマの爪の粉末に〜」


 
 楽しそうにモジュが空瓶に、傷薬やら解毒剤やら粉末やら入れて匙で掻き混ぜている。


 ……何をするつもりだろうか?


 アルスとベルトルが首を傾げているとフォルックが青い顔をした。アルスとベルトルの服を掴み、チョイチョイと引っ張ると耳を貸すように伝えてくる。
 2人は音を立てないようにしゃがんでフォルックに耳を貸せば、そっとフォルックが耳打ちをした。

(あれ、動物変身薬の強力バージョンを作ってるんだよ。アレを引っ被ったら、最低二週間は動物のままだよ)
(ゲッ! マジかよ!)
(……あのクソチビジジイめッ)
  
  
「これをあやつ等にちょっとだけ引っ掛けてッ、ププッ。二週間は猫耳じゃろうな! いや、犬耳になるかもしれんのう。クマ耳だったら笑い死にするじゃろうな!」
 
 
 モジュのケッタイな言葉が聞こえてくる。

 ふざけるなよ、あのクソチビジジイめ。自分達を何処までコケにすれば気が済む?!
 フォルックがどうする? と2人に訊ねる。このまま真っ向から捕まえようとすれば、悲惨なことになるのは目に見えている。アルスはウーンと考え、そして手を叩く。

(俺、“変態ドラゴン対策七つ道具”持ってるぜ?)
(へんたい…ドラゴン、対策七つ道具?)
(えーっと、ラージャの変態を止める道具だね)
(虫取りアミ、ブーメラン、投げ縄、釣竿、パチンコ&ビー玉、ドラゴン笛、木槌の七つ)
 
 これでどうにかモジュを確実に捕まえられないだろうか?とアルスが提案する。
 フォルックとベルトルは顔を見合わせて、アルスの取り出した“変態ドラゴン対策七つ道具”を見下ろし思案した。
 
 



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あきゅろす。
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