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「ラージャは、こんな俺を信じてくれてる。こんな俺を必要ともしてくれてる。俺が【マナ】を使えないせいでメーワク掛けてるっつーに。俺の気持ちに応えようとしてくれたりもしたし、自信を付けさせようともしてくれた。あいつはあいつなりに俺を励まそうとしてくれたんだ。俺はそんなあいつを、このまま死なすなんてデキない」

 
 口に出して、改めて実感する。

 ラージャが弱いとか強いとか結局のところ関係ないのだ。

 メチャメチャ変態で手の掛かる奴だけど、遣ること成すこと馬鹿バッカするけど、ラージャは自分のパートナードラゴンだ。
 自分の気持ちに応えようとしてくれる大事な相棒だから、ラージャを失いたくない。



「お前の考え方、そりゃ納得するとこあるぜ? 強いドラゴンが必要だってのはさ、『ドラゴン使い』なら当然そう思うだろうし。弱いドラゴンは邪魔になるだろうし」


 
 頭を掻いてアルスはベルトルから視線を逸らす。


「悪かったよ。俺がお前等の関係に口出すことなんて筋違いだしな。お前とジランダがその考えで納得しているなら、俺は余計なことを口出してるだけだしな」

 
 素直に謝罪してくるアルスに、ベルトルは拍子抜けした。
 アルスは「でも…」と言葉を付け足す。
 

「ジランダがそれで納得してるなんて俺には思えないけどな」

「黙れ三流」

「あーそうだよ。俺は三流だ。1回も【マナ】を送れたことないし、ラージャに迷惑掛けてるし、身体にメチャ負担も掛けさせた。悪いと思ってる。けど、だからってラージャを手放すことはデキない。今、俺を信じてくれているあいつを手放したら、俺はあいつを裏切ることになるから」


 成り行きで偶然の偶然にも手に入れたラージャだけど、今は手放せない。絶対に。
 信じてくれているラージャの気持ちに、まだ自分は何も応えられてないのだから。
  
 
「お前の考え方がデキの良い立派な『ドランゴン使い』の考え方なら俺は三流のままでイイ。三流なりに三流として『ドラゴン使い』を目指す。俺のこと信じてくれてるラージャと一緒に」
 
  
 他のドラゴンなんて要らない。新しいドラゴンも、代わりのドラゴンも要らない。
 今の自分に必要なのは、あのパンツ好きなラージャだけだ。 





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