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にゃんにゃん、僕にゃち。


  
 動物変身薬によって変身してしまった姿を解く方法は2つ。
 1つは自然と薬が切れる時間まで待つ。

 勿論、アルスとベルトルはその方法を却下した。
 一刻も早く元の姿に戻りたいのだ。悠長に薬が切れるなんて待ってられなかった。モジュを捕まえる際、自分達がこのままの姿だったら、また馬鹿にしてくるだろうし。

「この口調で話すことに苦痛だにゃー! 早くフツーに話したいにゃー!」
「にゃんりゅう、口閉じろにゃ」
「何にゃと?! お前こそ口閉じろだにゃー! そのムカツク面で『にゃー』言うにゃんて、メチャメチャキモイにゃー!」
「その言葉そっくりそのまま返すにゃッ」
 
 お互いこの喋り方が苦痛だとフォルックに訴える。

 ということは、あと1つの方法を選ぶしか道が無い。
 フォルックはなるべくこの方法を選びたくなかったと溜息を付いた。

 2人が急かして何だと聞けば、フォルックがこの姿を解く為の薬を作るのだと教えた。2人は安堵する。なんだ、薬を作ればイイのか。
 フォルック曰く、その薬を飲めばこの忌まわしい姿は解けるらしい。


「じゃあ、早く作ろうにゃー! 時間もにゃいし」

「でもにぇ。その薬にぇ」

 
 フォルックが理科室の四隅にある本棚から本を取り出し、2人に薬の作り方を見せる。
 2人は薬の材料を見てゾッとした。

「林檎、蜜柑、三つ葉、酢……蜥蜴の尻尾、魚の目玉、鳩の羽根ッ、牛の乾燥糞にゃってー?!」
「こんにゃの飲んだら、僕りゃ、明日は腹痛で一日中……でも、仕方にゃいよね。材料はたぶん揃うと思うにゃー」
「にゃ?! ヤメようにゃ! これ飲んで死んだりゃ、マジ笑えないにゃー!」


「……どれぐらいで解けるにゃ?」


 ベルトルの質問にフォルックが少し間を置いて「1時間ぐらいにゃ」と答える。
 断然、自然と薬が切れる時間まで待った方がイイに決まってる。
 アルスとベルトルは最初の方法でいこうと決め、フォルックに伝える。ただ30分待つだけではなく、マジックパウダーを持ってムカツク小人ジジイ・モジュを探そう。

 そう決まり、3人はマジックパウダーを探し出すと理科室から出た。

 



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