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017


  
 モジュは3人の猫耳姿に笑い転げた。
 モジュが3人に引っ掛けた薬品は『動物変身薬』、これを引っ被ると動物になってしまうのだ。少量しか引っ被らなかった為、完全に動物(猫)にはならなかったが、これはこれで面白い結果を生んだ。


 ヒィヒィ笑いながら、モジュは3人に親指を立てた。


「も、萌えるぞい! 若き男児諸君よ!」
「僕にゃち。完全に馬鹿されてるにゃ」
「あいつうざいにゃー! 元に戻せだにゃー!」
「ネコ語はワシには分からんぞッ……だーっはははは! メイド服でも着てみろ! ぜーったい笑え…いや萌えると思うぞ!」
「きッ……きしゃま、こりょすー!」
「だーっはははは! 『きしゃま、こりょすー!』じゃってよ! “貴様”も“殺す”もまもとに言えんのじゃな!」
 

 このッ、クソチビジジイ!


 アルスとベルトルは初めて同じ気持ちを抱いた。
 そう自分達の姿を見て笑い転げるモジュという小人を、真面目にぶっ殺してやりたいという、物騒な気持ちを2人して抱いた。

 笑いながらモジュがまた薬品の入った瓶を投げつけてくる。

 今度は3人とも綺麗に避けた。
 何個も瓶を投げたモジュは3人の姿に吹きそうになりながら、棚から飛び下りて理科室の出入り口に向かう。

 3人が慌てて追い駆けようとした時、モジュが投げた瓶を踏んでしまい、3人仲良く折り重なるように転んでしまう。それを見たモジュが笑いながら親指を立てた。
 
 

「そんな諸君の姿にも萌えるだにゃん♪ だーっはははは!」

 
 
 馬鹿笑いしながらモジュが理科室から逃げ去ってしまう。
 アルスとベルトルは去って行ったモジュに対し、握り拳を作って怒りを露にする。


(あのクソジジイ。馬鹿にしやがって。マジぶっ飛ばす!)

(この俺を貶した罪は重いぞッ)

 
 身体を起こし2人が怒りを抑えながら、ギロッとフォルックの方を見た。
 ビクッ! とフォルックが身体を震わせる。恐ろしい形相を作っている2人に思わず後退りしてしまう。逃げようとするフォルックの腕を2人はそれぞれ掴む。


「ふぉりゅっく! どーにゃったら、元に戻るんだにゃー?!」

「きしゃま、解き方知っているんにゃろ!」


 2人して早くこのケッタイな姿をどにかしろと押し迫ってくる。
 フォルックは恐ろしいと冷汗を流しながら「落ち着いてにゃー!」と叫んだ。 
 




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