016
「ナニヌー?! 何故、もう見つかるんじゃ?!」
理科室にモジュ発見。
この小人ジジイ、一体全体理科室で何しているのだろうか。そんな疑問は置いておいて、3人はモジュを追い駆ける。モジュは大慌てで逃げ出した。
「このッ、待ちやがれ!」
「やなこった! 直ぐに捕まるとウッパが煩いんじゃ!」
「知ったことか」
「待って〜!」
3人に追い駆けられ、モジュが「ギャー!」と叫び声を上げる。
どうにか3人の手を掻い潜り、薬品が置いてある棚によじ登るとモジュは危険じゃない薬物は何か無いかと探し始める。
そしてイイモノを見つけたとばかりに瓶を持つと蓋を開け、3人に向かって中身を掛けた。不意打ちを喰らった3人は、中身を仲良く引っ被ってしまう。
無臭で透明な液体を引っ被ってしまいアルスが声を上げた。
「ふにゃー! なんにゃ、こりゃッ……にゃ?!」
「にゃんりゅーっ、気色悪い喋り方するにゃ!」
「にゃー! お前にゃって、そーにゃろ!」
「うにゃ〜! 2人とも、頭に耳が付いてるにゃよ〜!」
フォルックに指摘され、アルスとベルトルが恐る恐る自分の頭に手を当てる。
頭になんかフニフニと柔らかなモノが付いているような。
ゾッとして2人は互いの顔を見合わせた。
お互い、気色悪いほど可愛らしい猫耳が付いている。
毛嫌いしている奴の猫耳姿を見た瞬間、2人とも青い顔をして口元に手を当てると身体ごと相手に背を向ける。
キモイ、キモ過ぎる。
何が悲しくてムカツク野郎の猫耳姿を見なければならないのだ。
口調とか更にキモ過ぎるだろ。これで「可愛いにゃろ? 宜しくにゃん♪」とか言ってみろ。今日の夜は悪夢を見る決定だ。
可愛い女の子ならまだしも、腹の底からムカツクと思っている野郎に間違ったって「こいつの猫耳姿可愛い〜、萌えだぜ萌え〜」なんて思うか!
そんなこと思った日には、この世界は滅亡しているだろう!
「べ…ベルトル向こう行けにゃ。お前見てると、は、吐きそうにゃ」
「それはこっちの台詞にゃッ……この口調、屈辱にゃ!」
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