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014


  
「あらら。初っ端からヤラかしましたねぇ〜」
「これなんですよ。困った子達でしょう?」
「ギュナッシュが苦労するのも、分かる気がしますねぇ〜」
 

 ウッパの召喚した大きな鏡を覗いてギュナッシュが小さく溜息をつく。


 悪い子達じゃないのだけれど、一人ひとり個性的過ぎてちょっと手に負えないのだ。
 今回の特別授業、ちゃんと3人で協力してこなしてくれるだろうか。大きな不安を抱いているギュナッシュに同情しつつ、ウッパは「大丈夫ですよ」と笑った。
 
「あそこまで手を込んでやったんですからぁ、嫌々ながらもちゃんとやってくれますよー」
「これを機に、仲良くまでいかなくても協力するまでには進歩して欲しいよ。それにしても、突然、すまなかったね」
「いえいえ。どーせ暇でしたしぃね〜」
「感謝してるよ。それで、ウッパ。最悪な結末を迎えても、ちゃんと考えているんだよね?」


「……へ? アレじゃダメなんですかー?」


 その瞬間、ギュナッシュの表情が強張った。
 まさか本当に最悪の場合、ドラゴン達が食獣植物の餌食に? 

 それはドラゴンブリーダーとして許せない自体なのだが!

 それに食獣植物、間違っても子供達に深手の怪我を負わせるとか、最悪死なせてしまうとかは……いくらドラゴン使いだといっても、あの子達はまだドラゴン使いの卵。実戦だってしたことがないのに。


 ウッパに限って、そこを考えていないわけ……。


 「大丈夫なんだよね?」念を押すようにウッパに訊ねれば、ウッパはてへっと可愛らしく(でも年齢は三十路過ぎ)笑って見せた。


「あの子達次第ですぅ〜」

「う…ウッパ〜〜〜〜!」

 
 今になって、ウッパに相談を持ちかけたことを後悔したギュナッシュだった。





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