004
「うふふふっ」
よく話す女子、オリアンがフッと笑みを浮かべてクジを丸めていた。
「どうしたんだ? オリアン?」
「私、1番、占い学苦手なの、知ってるよね?」
「お、おお……知ってるぜ」
「その私が『占い師』だって。あっはははは! おかしいー! 私が占いして、当たるわけないでしょ!」
哀れオリアン。
すでに壊れかけている。
親友の泣き声を聞きつつ、不気味なクラスメイトの笑い声を聞きつつ、意を決して四つ折りになっているクジを開いた。
クジには、達筆に、
『おめでとう、今日から君はドラゴン使いだ!』
と書かれていた。
「あああああああ?! 俺もッ、『ドラゴン使い』だとー?!」
「ほんと? ほんと! アルス!」
「馬鹿! 鼻水つけるな!」
涙と洟を服に擦り付けてくるフォルックに怒鳴りつつ、心の底から自分のクジ運を呪った。
まだ平穏に暮らせる『商人』とか『薬剤師』とか。
なんなら、『靴屋』になって靴作りに一生を捧げてやってもイイぐらいだ。
誰か、このクジを無効にしてくれ!叫びたい気持ちを抑え肩を落とす。
人生の行く末が決まってしまった。
自分は親友と共に、凶暴なドラゴンを手懐けなければいけないのだ。
良かったと嬉し泣きするフォルックが腕にしがみ付いてくる。
ダチがいて良かった、が、この運命は全然良くない!!
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