011
「失礼します!」
「な、何だね君は?! 今授業中だぞ!」
「すみません! 直ぐに出て行きますので! ッ、オリアンっ〜〜?!」
「アルス、会えて嬉しいわ」
教室の隅に、オリアン・ドレイバの姿を発見してしまう。(オリアンは学校一、恐れられている不気味少女なのだ。勿論、アルスも恐れている)
オリアンがいるということは、此処は『占い師』と『賢者』の卵達がいる教室なのか。
ニッタァと笑みを浮かべてくるオリアンに寒気がした。
身震いをしてアルスが少しばかり固まってしまう。
しかし、固まっている余裕は無い。
背後から火の塊が飛んで来るのだから。
火の塊を見た生徒達は、悲鳴を上げる。そしてクラス中が大パニックとなった。『占い師』と『賢者』担当の先生が驚き状況を把握している間、アルスはどうにか火の塊を避け窓に向かった。
大パニックになっている中、オリアンが何処からか水晶玉を取り出して占い始めている。
「これからのアルスの行く末は……ふふふっ、視えてきた。視えてきた! この後、『腹を下す』のよ! 下痢ピーピーピーになるのよ!」
『そうなのか! じゃあ、アルス。今日は腹を温めとくべきだな!』
「何でだよ!」
俺は至って健康だ!
しかも腹下すようなモノ食ってねぇし!
ツッコミを入れながら、窓枠に足を掛け、颯爽と教室から飛び出す。
後ろから「腹を下すわぁああああ! 下痢ピーピーピー!」と不気味な声が聞こえてきたが、アルスは無視することにした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!