013
大声でアルスがラージャに言う。
少々驚きながらラージャがアルスを見つめれば、アルスが「マジだぜ!」と気合を入れて走り出す。
いきなり走るものだから、ラージャは落ちそうになった。
「急に走るな!」文句を言っても、アルスは気にせず薬局に向かって走る。
「そりゃ成り行きでなっちまったけどよ、お前がああいう風に助けてくれたんだ。お前の気持ちも知ったんだ。俺、もう嘆くの止める!」
『アルス? お前、本気で』
「本気だ! お前が俺を選んで良かったって思えるぐらい立派なドラゴン使いになる! ラージャが俺に愛想尽かす暇なんてないぜ!」
本気で目指して見せると言うアルスにラージャは苦笑いした。
『単純な奴。ま、俺ちゃまは嬉しいけどな。本気になってくれたなら。それにしても、お前、助けたんだからパンツぐらい』
「うっしゃー! 薬を買って、家帰って、お前の手当てしてメシ食おうぜ!やる気出てきた! 本気になったからには、俺、本気でラージャのパンツ好きも変態も直す! 直してみせる!」
『コラ! 俺ちゃまの話聞けー! お前なんかに、俺ちゃまのパンツ好き直せるかー!』
ラージャが怒鳴るが、アルスの耳には入ってこない。
微妙な理由でドラゴン使いを目指し始めたアルスは、今日の出来事で本気になってドラゴン使いになる理由を見つけた。
それはそれは、単純な理由だがアルスにとってとても大切なモノ。
「頑張るぞー!」拳を振り上げて、元気よくアルスはパートナードラゴンのラージャと薬局へ向かって行った。
End
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