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008


 
  
「ゲッ、まさかこいつ!」

「うわわわわわ! まさかのまさか!」


 次の瞬間、ドラゴンの口から大きな炎が吐き出される。
 「やっぱりぃー!」フォルックが叫んだ。アルスがマジかよ! と悲鳴を上げる。クラスメイトになる奴に、こういう仕打ちするか?!


 明らかにアルスに向かって放たれた炎、アルスは受身をとって火傷する覚悟をした。


 しかし、その前にラージャが素早くアルスの前に出た。


 大きく息を吐いて炎を出すラージャにアルスが驚く。
 
 
「ラージャ!」
『ッ、思ったより、デカイ! アルスッ、早くそこから離れろ! 俺ちゃま、あまり持たないッ!』
「けどよ!」
『早くしろッ、俺ちゃまの魔力だけじゃ……絶対に防ぎ切れない自信あるぜ! コノヤロー!』
 

 変な自信じゃないか、それ!


 なんてアルスはツッコむ暇がなかった。言われた通り、その場から離れる。
 次の瞬間、ラージャは力負けしてまともに攻撃を喰らうことになる。勢いがよかったせいか、ラージャは壁に叩きつけられた。

 顔色を青くして、アルスがラージャに駆け寄る。
 
 
「おい、ラージャ! 大丈夫か?ラージャ!」

『アイテテテッ、平気だぜ。これぐらいッ、防ぎ切れないが俺ちゃまはタフだ! 恐れ入ったか!』


 すると感心したように少年が口笛を吹いた。


「フーン。マナを使ったのに、ダメージが少ない。そのドラゴン、魔力が強いな。お前は三流でも、ドラゴンは一級品か」
「……お前ッ、いきなり何しやがるんだ!」
「べつに、ウザイその口を黙らせようと思っただけだ」
「たったそれだけで攻撃か?! こっちは怪我するところだったんだぞ! ッ、ラージャはお前の攻撃受けたんだ!」


 ラージャを抱き上げてアルスが吼える。


 冷笑して少年は「お前が怪我しなかったのは、ドラゴンに感謝したらいいだろ?」と鼻で笑った。
 自分は何も悪くないです態度にグツグツと沸騰し怒りを露にするアルス。
 フォルックがどうしようとオロオロする。ナーガを見れば、頭を抱えて隅っこでガタガタと震えているから溜息をつきたくなった。


 険悪なムードが漂う中、救いの手が差し伸べるように教室のドアが開く。

 



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