ドラゴン使いクラス
フォルックと共にドラゴンを引き連れて隔離された教室へと向かった。
教室の前に来た2人が中に入れば先客がひとりいた。自分達と同年代の少年で、肩にグレーのオスドラゴンが乗っている。
この少年もドラゴン使いなのだろう。少年は自分達の顔を見たが、すぐに素っ気無い態度を取る。
フォルックが挨拶をするが返事は無く無視された。
アルスはこの時点で思った。
こいつ、イケ好かねぇ……と。
それでもフォルックは、一応クラスメイトになるのだからと名前を尋ねる。
少年はフォルックを鬱陶しそうに一瞥して鼻を鳴らすだけだった。
ムカツクとアルスが思っていると、少年が漸く口を開く。
「マヌケそうな奴等もドラゴン使いか。マナも扱えなさそうな奴等」
「ッ、誰がマヌケだって! お前、さっきから何だ!」
「お、落ち着いてアルス」
食って掛かりそうになるアルスの体を押さえつけフォルックが落ち着くよう言う。
握り拳を作ってアルスは少年を睨み付ける。ラージャとナーガは様子を見ていたが、少年の態度にあまり好印象を持たなかった。
グレーのドラゴンが何処か申し訳なさそうな顔をしているが、何も言わない。
少年はまた鼻を鳴らすと、深い海色の髪を揺らしてアルスを見下して自分のドラゴンを見た。
「ジランダ、マナを使う。構えろ」
『……了解しました』
少年がジランダと呼ばれるドラゴンに構えるようを命じている。
何のことか一瞬分からなかった。
そして嫌な予感がした。ジランダが少年の肩から離れ宙に浮く。
少年がドラゴンに向け、なにやら呪文を唱え始めた。ジランダの体が赤く光り始める。
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