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006


 
 そう思いつつも誰もツッコまないのは係わりたくないためだろう。
 騒がしくなった教室が静かになったのはオリアンと担任が教室に入ってきた頃。(オリアンはクラスメイトにも恐がられている、色んな意味で)担任は教室に入り生徒達を座らせると、今日の日程を淡々と話す。


「今日は、職業別にクラスを分かれてもらいます。そのクラスが以後、貴方達のクラスになることを始めに伝えておきますね。1番多い職業『兵士』は5クラスあります。それなりの人数がある職業は2〜3クラスになっています。1番少ないクラスは、勿論1クラス。クラスによっては、他の職業と合同になっているところがあります」

 
 持っていたファイルを開いて担任が目を通していく。
 
 合同になるクラスは『鍛冶屋』と『武器屋』、『政治家』と『弁護士』、『占い師』と『賢者』のようだ。似たり寄ったりの授業をする為、クラスを合併したのだろう。アルスは胸を撫で下ろした。『占い師』と『ドラゴン使い』は合併にならないようだ。

 オリアンと同じクラスになる、それだけで泣きたくなる!
 フォルックも同じことを思ったらしい、安堵の息をついていた。

 これから、オリアンと同じクラスになる者には深くふかーく同情してしまうが良かった。

  
「クラスの場所を書いたプリントを配布します。目を通しておいて下さい」

 
 プリントが回ってくる。後ろに回しながら、アルスがプリントに目を通す。

 覗き込むようにラージャもプリントを見た。


『なんて書いてあるんだ? なあなあ』
「ンー、クラスの場所が書いてあるんだ。俺達のクラスはー」
「はいはーい。皆さん、移動して下さい。これからの未来の為に、しっかり勉強して下さいね」
 

 担任が手を叩いて言う。つまり、この担任は今日から担任ではなくなるのだ。
 少々淋しい気持ちもあるが、これも仕方が無い。クジ引きを引いた国民の運命。
 望んだわけでもない職業の為、勉強に勤しまなければいけないのだ。横目でラージャを見ながらアルスは溜息をついた。

 本当に自分は、『ドラゴン使い』になれるのだろうか。


 ま、いいや、表面だけでもなれました雰囲気を出せば。

 いや、有名になってこの不運な人生を笑ってやる!


 頭を掻いてアルスはそう思うとフォルックを呼んで共に教室に向かう。
 自分達の向かう教室は人気のない教室。ドラゴンが凶暴という理由で隔離された場所に配置されたようだ。

 被害を最小限にする意味もあるということだろうが、自分達はその犠牲の対象になるのでは?ある意味イジメだ。

 廊下を歩いていたら、後ろから声を掛けられた。
 聞き覚えのある声に後ろを振り向けば、オリアンがニタァと笑ってきた。

「うふふふ、残念ね。一緒になれなくて。淋しくなるわ」
「あ、あ、あ、ああ。そうだな! な、フォルック!」
「う……ううううううん! うん! うん!」
「学校内にはいるんだし?会ったらお話してね? 私は目指す! ペテン占い師を!」
『だからー、お前は』
『ラージャ! 何も言うなだぎゃー!』

 ナーガがラージャの口を塞いでどうにかこうにか暴言を止めた。
 ナイスッ、ナーガ! さすがラージャの双子の弟!臆病だけど、頼りになる時はなるぜ! アルスは心底思った。


 クスクスと不気味な笑い、不気味なオーラを出しながらオリアンは指定された教室に向かった。
 彼女が歩いた後は、何故か空気がどよんでいるような。
 きっと森の中を歩けば、木々が枯れゆくだろう。オリアンなら成せる気がした。


 とにかく、教室に向かわなければ。

 



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あきゅろす。
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