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013


 
 一気にご機嫌なる俺に、「変なヨウだな」もう酔ってるんじゃないか、とケイは笑いを返す。

 「るせぇな」毒づく俺はさっさとリモコンを操作してDVDを流す。
 始まるアニメに、「楽しみだな」ケイは笑みを向けてきた。


 そうだな、相槌を打つ俺はきっとケイほどアニメにはハマりきれてねぇんだと思う。
 いや、オモレェんだけどな。ケイみたいに熱中するほどじゃねえ。


 でもいいじゃねえか、少しくらいこいつに付き合ったって。


 ケイだって全然飲めないであろう酒に付き合ってるんだ。
 そうじゃなくたって俺の舎弟として、不慣れな喧嘩に付き合い、俺の≪足≫になってくれている。俺はもうケイ以外の舎弟を考えようとも思わないし、こいつがツマンネェ人間だとは一切思わないだろう。ましてや離れて行かれたくない、ダチだよケイは。
  
 
 俺は飲酒をしながら、ケイとアニメを堪能した。

 DVDを見終えた後は、ちびちびケイとプチ飲み会。二人で飲酒して、他愛もない事で駄弁り、お互いの好きなことをベラベラベラ。
 「ちょっちオタクなんだ俺」ゲームも好きだしアニメも好きだし漫画も好きだし、自分の趣味を教えてくれるケイだけど、「俺は洋楽マニアだって」服にも興味あるし、オタってる面じゃテメェと一緒だと笑声を上げる。
 
 アルコール慣れしてないケイは、途中から妙なハイテンションを出してくれたけど、それさえ楽しいって思えた。

 酔ったケイはケラケラ笑いながら、「不思議だよな」改めて不思議を口ずさむ。


「趣味もナリもオーラも違う俺達が、こんなに仲良くなれるなんてさ。やっぱ俺、ヨウに会えて良かったなぁ。楽しいや」


 サボりは勘弁だけど。喧嘩も勘弁だけど。あ、怖い思いも勘弁だけど!
 
 暫くするとケイが撃沈。
 ソファーでごろ寝して夢人になっている舎弟に俺は、「酒慣れしてねぇな」もう落ちちまったのかよ、目尻を下げて毛布を取りに腰を上げる。それをケイに掛けた後、俺はもっかいDVDを見ようかと思い立ってリモコンに手を伸ばした。
 

「今度飲み会を計画する時は、ケイの家を考慮して計画するか」


 皆ではっちゃけられる計画を企てよう。

 いつも俺のことを考慮してくれる舎弟に、俺もまた考慮しよう…、だってこいつは紛れもない俺のダチなんだから。


「昔の俺に言いてぇな。テメェの思いつきで作った舎弟とは、ぜってぇ舎兄弟解消できねぇぞ。解消できねぇくらい知り合えて良かったと思っているんだ…ってな」



 Fin.

 



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