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010


 
 俺等のメンバー内じゃモトくれぇだろしな、こういう会話ができるの。
 分からんで聞き手になるよりは、一応アニメを見て聞き手になってやった方がケイも嬉しいだろうし。 


「さてと。親父達がいねぇ内にノートパソコン、俺の部屋に移動させておかないと。テレビで見てたら、それこそ親父達が文句言うだろうし」


 こうして俺は家に帰って早速ノートパソコンを独占。

 部屋でケイ達のハマッているアニメとやらを見ることにした。とはいえ、あんまアニメに興味のねぇ俺だから見始めたのは深夜の1時過ぎ。
 その間、パソコンは移動させたものの、CD聴いたり、風呂入ったり、雑誌を読んでいたりで時間を潰していたんだ。気乗りしなかったってのもある。だけど1話くらいは見ておかないと、ケイの奴、どうだった? って感想を聞いてきそうだし。付き合うって思ったのは俺だし。

 なんとなく今日中に見ておかないといけない義務感に駆られたんだ。


「途中で寝ちまいそうだな」


 欠伸を噛み締めつつDVDディスクをパソコンに設置。
 
 流れ始めたOPにこれまた欠伸を噛み締めつつ、1話を見ること30分後。

 「へえ。なんとなくスゲェってことは分かった」続きが気になって2話目。

 更に30分後、「……親友は裏切り設定か」もうちょい見ようか、3話目。


 30分後、「はっ?! 親友アリエネェ!」急展開に興奮して4話目―――…。





「―――…やーっべ。夜が明けちまった。どっぷりハマり過ぎだろ、俺」


 カーテンから零れている朝日に溜息。寝不足の俺に溜息。んでもってアニメの続きがやけに気になっている俺にも溜息。
 あーあ、ハマッちまった。ケイのせいだ。なんて悪態を零し、俺は見ていたDVDを中断してベッドに入る。眠過ぎるっ…、学校は午後から行こう。んでもって放課後はレンタル店に行って四巻と五巻を借りよう。とにかく眠い。徹マンしたくれぇに眠い。

 うん、今ならケイと語れる気ィする。ありゃハマるわ、アニメ見ない俺でも十分にハマる。はまっ…、あー、ねむい。

 



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