「だってヨウ。興味なさそうだし」
◇ ◇ ◇
翌日。
ケイと顔を合わせた際、開口一番に言われた言葉は「どんだけ飲んだんだよ」だった。
どうやらケイは倦怠期発言の意図が分かっていないらしい。お前と俺の倦怠期ってなんだ、てか自然解消ってなんだよ、自然解凍なら知ってるけど、と疑問が花火のように弾けてやがった。
けど俺はケイに言う。「倦怠期は倦怠期だ」ってな。
おかげでケイを混乱させたわけだけど、こいつの倦怠期は相変わらずだった。俺達の傍にいる時のケイは激眠そうで、欠伸を噛み締めていることが多い。
でもクラスメートの五木達と喋る時は活き活き元気ハツラツ。
休み時間、ワタルとケイの教室前を素通りした時、
「田山ぁああ! どうだった、どうだった!? やばくね、超やばくね! 興奮ものだろ!」
「やっべぇよ、光喜! おぉおおお前は天才だなっ、おかげで俺、バッチシ燃えちまったじゃんかっ! 連日寝不足なんだぞ、バカヤロウ! 利二はどうだった? 見たか?!」
「ああ、かなり面白かった。さすがは長谷だな。あれはかなりの」
「大興奮ものだよね! 僕も久々にキたよっ…、ほんっと監督さんのセンスが光っているっていうかさ! 光喜くんの見る目もサイコーだね!」
「ははっ。もっと褒めたもう、ジミニャーノフレンズ! お前等皆、興奮を与えてやった俺に感謝しろよ!」
ケイの野郎、めっちゃはしゃいでるな。
お得意のノリノリが大発揮されてるじゃねえか。うーっわ、なんだこの敗北感と焦燥感。やっぱあいつは俺達に倦怠期か。てか、舎兄弟の間柄で倦怠期? 俺等ピンチか?! 自然舎兄弟解消を狙ってやがるのか、あいつ!
俺の言葉にワタルが噴き出していたのは余談としておく。
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