014
「まだ食うのかよあいつ。俺、見てるだけでもうゲロ甘だっつーの。地獄だ」
「ヨウさん…甘いですよ。シズ、まだ三回はおかわりすると思います…」
「……。ラーメンが食いてぇ。ポテチでもいいや。塩気のあるモンが食いてぇ。甘味地獄から抜け出してぇ」
同じく。
「暫く甘味は勘弁!」俺はヨウの意見に賛同し、ぐったりとテーブルに伏した。キヨタやモトもそれぞれテーブルに上体を預けてバタンキュー。
「塩気か」デザートを取りに戻ったシズは俺等の会話を聞いていたのか、幸せそうに綻んだ。
「じゃあ…、帰りにラーメン食いに行くか?」
デザートを平らげてもきっといける、シズの最強発言に俺等は揃って瞠目。そして大きく溜息をついて項垂れた。
「ラーメン食いに行ったら…、それはそれで地獄を見る気がするのは俺っちの気のせいっスか?」
「ダイジョーブ。シズ以外、気持ちは一緒だから。はぁ…シズの胃袋、分けて欲しいくらいだ」
俺の嘆きに皆が賛同してくれた。
だよな? そう思うのはフツーだよな? あー胸焼けがしてくる。最後の最後で散々な休日だな、もう。
その日から暫く、俺、ヨウ、キヨタ、モトは甘味は勿論、ラーメンを見るのも厭になった。どうしてラーメンまで厭になったのかは言うまででもないと思う。塩気にあり付けて万歳、でも何事も程ほどがあるってコメントだけしておこうかな。
取り敢えず、俺、暫くはシズと一緒に食い放題行かねぇ!
とか思っても、ま、どうせ近々誘われる(しかも断れない)だろうから、胃薬でも用意しておこう。次に行った時は胃もたれでも起こしそうだしさ。食い放題に行く面子も俺等で固定されてるし、ヨウ達も約束されてるだろうから付き合わされるだろうし。
また近い内に皆で遊ぶだろうから、シズ抜かす全員分の胃薬を用意しておこう。俺ってヤサシー!
だけど一つ感想を付け足すと、不良と遊んで楽しかった。
皆の色んな一面見る事ができたし、今度はチームメンバー全員で遊びたい。それもまた俺の本心だ。皆には言えないけど、俺の甘い感想だ。
End
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