男だってデザートを食らうのです!
そんなこんなで俺は皆と脱地味っ子させられそうになったり(されなかった俺にカンパーイ!)、ゲーセン行って射撃ゲームで盛り上がったり(俺とモトのゲーマー魂が発揮された!)、キヨタがCDを見たいって言うから皆でCDショップに行ったり(キヨタはロック系が大好きみたいだ。そこばっかり見てた)。
充実した日々を送っていた。普通に楽しかった。
これで何事もなく日曜の午後は終わり、かいさーん、…だったら良かったんだけど忘れちゃならないイベントが待ち受けていた。
そう(地獄の)デザート食い放題。
最もたる理由で俺とシズは遊びの約束を交わしたわけなのですが…、いやはやできれば行きたくもなかったわけなのですが…、そうすれば俺とシズその他諸々の絆にヒビが入ってしまうんで。
はい、覚悟を決めてただいま一同はデザート食い放題が行われているカフェに来ております。
物の見事に女性ばっかりでひっじょうに居心地の悪い体験をしているシズ除く俺等の心境でございます。嗚呼、場違いですね、俺等。浮いてますねぇ、俺等。野郎がカフェの雰囲気をぶち壊している気さえしますねぇ。はい。
ちなみにカフェの雰囲気はレトロな感じで、ほんわかした空気と店内を満たすメロディが店の雰囲気を良くしておりますです。
女性に合った空気作り、女性好みの椅子やテーブルやちょっとした置物、のほほんとOLさんであろう方々、婦人であろう方々が談笑をしている最中、空気の読めない野郎四人がカフェにちょこんと居座っております。
まだ女子高生が仲間内に一人でもいてくれたら良かったんだけど、生憎今の時間帯は女子高生以上の大人の女性が目立っていたり…で、ありますんで…。
一言に尽きる。
俺等、超KY男子高生イェーイ!
俺以外仲間内は不良なんだぜ?! 目立つのなんのって、店員さんに不良が来たことに怖じを抱かれたっつーか! こういうところは恋人作って来たいっつーか! イケメンくん不良にちょい熱い視線が向けられたというか!
はははっ、だけど俺はもう慣れてるんだぜ!
だって一番最初に不良の巣窟に行った日を思い出せば、こんなKY空気なんてヘッチャラだってもんよ。ほら思い出してみ? あの時の空気を! 俺が皆のたまり場に出現した時モトが歓迎の(中略)、つまりバッチコーイなんだぜ!
チックショウ、テンション上げてねぇとやってらんねぇ!
「ううぅう…、オレ、きちまった。またデザート食い放題っ…いや、オレから地獄に飛び込んだんだけどっ、嗚呼、悪夢」
ヨウの右隣に腰掛けているモトがうんぬん呻いている。
や、やめてくれよモト。そんな態度されると不安になるだろ、折角テンションマックスで頑張ろうとしてるのに。俺が引き攣り笑いを浮かべる一方、「大丈夫だって」モトの隣に腰掛けている親友のキヨタが励ましを送っていた。
とにかくデザートを取りに行こう、ポンッとキヨタはモトの肩を叩き、腰を上げる。
「ケイさんとヨウさんは待ってて下さい。俺っち達がお二人の分も取ってくるので。シズさんは…、既に自分で取りに行ってるっスね」
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