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005



 映画が終わると俺の買い物だ。

 不良達に俺の買い物を付き合ってもらうなんて恐ろしいけど、うん、シズを始めとする三人も付き合ってくれるって言ったしな。
 って言っても、予約していたゲームを買いに行くだけ何だけどさ。俺は皆と一緒にゲームを予約した店に足を運んだ。

 店に来た途端、ゲーマーのモトは目を輝かせてゲームソフトに目を向けている。
 実は俺もやや気持ちが浮ついてるんだ。だって予約していたゲームは俺の大好きなアクションシリーズで、三年ぶりの続編なんだから! 
 
 テレビゲームをしないヨウ、シズ、キヨタはこんなゲームもあるんだって興味津々にゲームソフトを眺めてるけど、俺とモトはレジカウンターでテンションを上げていた。会計を済ました俺は、ウキウキでモトとパッケージを見る。
 有名アクションシリーズの続編を買ったって分かるや否や、「スゲェ!」モトは声音を上げて、俺にキラキラと視線を投げてきた。
 

「さすがケイ! これっ、予約してると特典として別にミニゲームも付いてくるだろ!」

「そーなんだよ。予約してないと手に入らなくてさ。これを狙って予約したんだ。我ながらよくやるぜ」

「いやいや、このゲームの良さを知ってる奴なら得点も狙うだろ!」

「だよな!」

「オレならぜぇえったい狙うし!」


「くそう、分かるじゃないかモト。あ、そうだそうだ、モト、少し耳貸せ。―…もう知ってると思うけど今回から一人プレイと二人プレイで分かれてる。一人と二人じゃちょっと内容が違うらしいんだ。だからさ」
 

 俺はこっそりとモトに耳打ちした。「モト、今度一緒にやらね?」
 途端にモトは大感激だとばかりに目を輝かせて、「せんぱぁああい!」俺に飛びついてきた。俺もノリで体を受け止めて、イェーイとハイタッチ。


「さっすがモト! お前なら乗ってくれると思った!」

「乗らないわけないだろ! だってこれ、三年ぶりの新作だぜ! オレっ、ゲームなんてなっかなか買えないから今度も借りるか中古だなぁって諦めてッ…ケイィイイ! も、愛してるぅううう!」

「俺もだぜ! 愛しちゃうんだぜ!」

 
 ハイテンションの俺等の悪ノリは最高潮。
 周囲の白けた眼なんてお構いなし。ゲーム好きの心に火がメラメラッと点っていた。やっちゃうんだぜ、三年ぶりの続編ゲーム! かなり難しいって聞くけど、ぜぇえったいクリアしてみよう、ホトトギス!
 
 イェーイ、イェーイ、俺等はハイタッチしては大はしゃぎしていた。
 

「……。あいつ等、やけにハイテンションだな。此処どこか分かってるのかよ」

「……。ああ、ほんとにな。そしてキヨタ…、そんなに落ち込むな」

「うぅうっ、だっでシズざんっ。モトにケイざんっ、取られたっスぅううう! 俺っちの兄分なのにっ!」
 
  
 連れ達がそんな会話をしていることなんて、悪ノリ最高潮の俺等の耳には届かなかった。
 



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あきゅろす。
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