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のらりくらりの日曜


 
 ◇ ◇ ◇
 
 

 当日―。

 俺が待ち合わせ場所に行ってみると、そこには誰もいなかった。

 一応徒歩で来たんだけどな。15分前に来たもんだから、誰もいなかったっぽい。それから5分経った頃にキヨタ、さらにヨウ、最後にシズがやって来た。
 更にキヨタと一緒にモトが引っ付いて来た。デザート食べ放題は嫌だったようだけど、映画や買い物に皆で行くって聞いて来たっぽい。

 シズは損ねた顔をしてたけど、ヨウ達と同じく、これから後三回は問答無用で食べ放題に付き合うって約束をして事無く終えた。
 

 ということで、全員揃ったところで出発。俺達は電車に乗った。


 今日は全員私服なんだけどさ、皆、超いけてるんだよな。
 俺、超普通だから超いけてなく見える。別段お洒落さんってわけでもないし、容姿に関しちゃ既に諦めてるからいいけどな。

 でもモトが俺の服装を見て、「ケイ、もうちょいお洒落しろよ」って言ってきた。

 あははっ、ほっとけ。って気分になったけど、まあ、言われ慣れてるから笑ってスルー。そこで終わる筈の会話だったんだけど、シズが俺の服装を見て目尻を下げてきた。


「ケイは…、まだ分からないだけなんだろ。折角だし…、服、一緒に見てやろうか」


 なんかお兄さんらしい発言したな、シズ。
 年齢的には同じだし、俺の方が誕生日早いんだけど、お兄さんって感じがする。先輩って感じがする。あれだな、シズって面倒見のいい不良なのかも。今、そんな感じがする。


「そりゃいいな。ついでにピアスでも選べって。一緒に選んでやるから」


 ヨウが話に便乗してくる。
 嘘だろ、俺がピアスって…、耳に穴あけるの? 無理ムリムリ。恐いって!


「ケイさんにピアス、絶対に似合うっスよ! 俺っちだってピアスあけてるんですし」


 そりゃキヨタは不良だしな。
 俺の髪に合わせて黒にはしてるけど、やっぱ不良ですってオーラが出てるし。俺は完全に地味っ子ですってオーラを醸し出してるし。

 俺はキヨタの耳に付けているピアスを見やる。
 チェーンで繋がってるシルバーピアスがやけにカッコイイ。うーん、やりたいとは思わないけど憧れはあるよな。
 

「キヨタのピアス、カッコイイな。なんかキヨタらしい。似合ってる」


 率直に褒めればキヨタが照れ臭そうに笑った。んで、俺を見上げて親指を立ててくる。
 
 
「ケイさんもやれば似合うっスよ! あ、何なら俺っちが穴あけてあげるっス!」

「……。いやー、あける予定は今後もないと思うから」


「えぇえええ! 勿体無いっスよ! ケイさんはあけるべきだと思いますっス!」
 
 
 めっちゃ積極的に勧められたけど、やっぱ耳に穴あけるのは恐いよな。
 渋る俺にキヨタはあけるべきだって推してくる。俺がピアスしたところで目立たないと思うんだけどな。俺は熱弁してくるキヨタに苦笑いを零すほかできなかった。
 

 

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