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 子供達の様子を見つつ、自分達も少しは山菜を採ろうと風花達は行動し始める。
 坤や伊綱に教えてもらいながら、山菜を探してみる。

「なあなあ坤。これって山菜?」
「いや、雑草だ」
「これは?」
「雑草だな」
「……これは?」
「雑草。こっちが山菜だ」

 「どれも同じような草にしか見えないし」風花がブツクサ文句を言っていたことに聞いてしまった菜月は笑ってしまった。


 楽しい時間が穏やかに過ぎそろそろ帰ろうかと伊綱が皆に声を掛けた時、近くから子供達の悲鳴が聞こえた。

 ハッと子供達の姿を探せば、いつの間にか子供達がいない。

 
「コン太郎?! コン次郎?! コン三郎?!」
「悲鳴はこっちからだな」


「あ、アナタ!」

 
 坤が声のした方へ駆け出す。
 後を追うように風花が駆け出した。病弱な伊綱は菜月が受け持ち、2人の後を追い駆ける。
 
 


「何処だ。何処にいる」




 子供達が無事でいることを祈りつつ、坤は走った。脇目も振らず木々を走り抜けた。
 もう二度と、後悔したくない。失いたくない。

 子供達を二度も守れなかった、なんて惨めな思いを受けたくないその一心で走った。
 聞こえてきた声の方角と微かに感じる子供達の妖気を頼りに山の中を走っていると、子供達の姿を見つける。


 子供達は逃げ惑っていた。

 泣きそうな顔をしている子供達に襲い掛かっているのは、大きなイタチ。


 イタチはかなり大きい。歯を剥き出しにして、子供達に襲い掛かっている。
 妖力を感じることから、このイタチは妖怪なのだと分かった。

 コン次郎をターゲットにしたようで、あっという間にコン次郎を追い詰めていた。
 逃げていたコン太郎とコン三郎が、追い詰められたコン次郎の名前を呼ぶ。コン次郎はカタカタと震え頭を抱えると、その場にしゃがんだ。
 




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